【夕暮れに、なお光あり】 復活の生命の力があるように 細川勝利 2021年4月1日
イースターおめでとうございます。コロナ禍で全世界の惨状と共に、主の教会とキリスト者一人ひとりも苦闘していることを覚え、復活のイエス様の神の国の約束による慰めと励ましがあるよう祈っています。
私ども老いた者や種々の病で苦しむ者にとって何よりの希望は神の国の約束ではないでしょうか。
使徒たちはじめ約120人余の弟子たちは、当時のローマ帝国やユダヤ社会の指導者による圧迫を恐れ、閉じこもっていたのです。ちょうど現在コロナでどこにも出かけられず、家にこもるしかできない状態に似ているかもしれません。
そんな彼らに復活のイエス様は40日間共にいて、神の国とご自分が生きていることとを語り続けられたのです。
それは、彼らがこれからの生涯でどんなに苦悩や迫害にあっても、神の国と復活の生命に与ることを、一人ひとりの霊肉に刻んでくださったのです。この120余の弟子から始まりコロナ禍にある現在まで主の教会は「神の国とイエス様の復活」を証言し続け、私たち老人や病む者にも届いたのです。
現在、私自身2月4日以来心臓の具合が悪く入院中です。入院時、まずPCR検査を受け、約1時間後に陰性が判明し入院許可が下りました。病室にストレッチャーで連れられました。愚妻がいないのに気付き、看護師に尋ねると、奥さんは病室はもとより病棟にも来ることはできませんとのことで、2月4日、知らぬ間に生き別れにされ、今日まで一度も会っていないのです。これはすべての入院患者が同じです。そして、面会の家族がする身の回りのことを看護師が代わりにするので、2倍の働きをしていることを知りました。
マスコミなどはコロナ患者を扱う医療従事者のたいへんさを報道しています。しかし、実際はコロナ患者を扱わない医療従事者のたいへんさを知りました。特に小生のようにまったく歩けず、洗面や夜1~2時間おきのトイレにも車いすに乗せてもらうので申し訳ない限りです。こんな小生は、自分の足で歩き、トイレにも行ける日がいつ来るのか分かりません。
ただ小生にとって希望であり慰めは、復活のイエス様が約束してくださった神の国の生命です。復活のイエス様は、どんなに弱く年老いて苦しむ者にも恵みを十分与えて、復活の生命の力を与えてくださることをこのイースターの時に共に信じて参りましょう。
「私の恵みはあなたに十分である。力は弱さの中で完全に現れるのだ」(Ⅱコリント12:9)
ほそかわ・しょうり 1944年香川県生まれ。少年時代いじめっこで親、教師を困らせる。東京で浪人中63年キリスト者学生会(KGK)クリスマスで信仰に。聖書神学舎卒後72年から福音教会連合浜田山キリスト、北栄キリスト、那珂湊キリスト、緑が丘福音、糸井福音、日本長老教会辰口キリスト、パリ、ウィーン、ブリュッセル、各日本語教会で牧会。自称フーテン僕使。他方中咽頭癌、類天疱瘡、脳下垂体前頭葉機能障害、頚椎性神経根症、心不全、両鼠径ヘルニヤで霊肉ボロボロ。ただ憐れみで今日に至る。著書に『落ちこぼれ牧師、奮闘す!』(PHP出版)、『人生にナイスショット』(いのちのことば社)など。
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