米福音派メディア「クリスチャニティ・トゥデー」などの報道によると、イスラエルの著名な考古学者エイラート・マザールが5月25日死去した。マザールは1956年9月10日にイスラエルで生まれた。有名な考古学者である祖父ベンジャミンの指導を受け、11歳から発掘を始めた。祖父は、「イスラエル建国」の父の1人として、彼の発掘によってイスラエルがユダヤ人の祖国であるという考えが広まったとされている。
「エルサレム考古学の女王」と呼ばれたマザールは、聖書を歴史的なテキストとして受け止め、聖書に注目しすぎるのは非科学的だと考える学者たちとの論争でも知られている。
マザールは50年間にわたって聖地を発掘し、ダビデ王のものとされる宮殿跡、ソロモン王のものとされる門、ネヘミヤが建設したとされる壁、預言者エレミヤを捕らえた者の名前を記した粘土印二つ、ヒゼキヤ王の名前を記した印、預言者イザヤのものとされる印などを発見した。
マザールは「聖書には本物の歴史的現実が書かれている」と言って、聖書を繰り返し読んでいた。時には文字通りの指示を受けることもあった。1997年には、サムエル記下5章17節に、ダビデが宮殿から要害に下っていく様子が書かれていることを紹介した。その記述が正しいと仮定して、エルサレムの地形を調べ、ダビデの宮殿があるべき場所を特定した。2005年にはその場所で発掘を開始し、自分の考えが正しかったこと、そしてサムエル記が正しかったことを証明している。(CJC)
注=聖書名の表記は『聖書 新共同訳』に準拠している