「バチカン・ニュース」によると、教皇フランシスコは4月10日、バチカンで司式した「受難の主日」ミサの後半、「お告げの祈り」で、「武器を置いて、復活祭の停戦に入るように」と呼びかけた。祈りに先立つ説教で、教皇は、「神にできないことは何一つない」(ルカによる福音書1章37節)という、主の天使がお告げの中でマリアに言った言葉を繰り返した。
「神にできないことは何一つない。たとえ、終わりが見えない戦争、たとえ、毎日非武装の市民に対する残忍で冷酷な虐殺を目の当たりにする戦争であっても、それを止めるために、神に祈ろう」
「復活祭を前にしたこの日々、私たちは罪と死に勝利した主イエス・キリストを記念するための準備をしている」と述べた教皇は、その勝利は罪と死に対してであり、誰かに対してではないと指摘。「それなのに、今日、戦争がある。なぜこの世の方法で勝とうとするのか、それは敗北をもたらすだけだ。なぜ神が勝つままにしないのか。キリストは私たちを悪の支配から解放するために十字架を背負われた。キリストはいのちと愛と平和が統治するために十字架上で死なれた」と説いた。
「武器を置いて、復活祭の停戦に入るように」と教皇は呼びかけつつ、「それは再び武器に弾を込め、戦いを再開するための停戦ではない。人々の善のために何らかの犠牲をも考慮した真の交渉を通して、平和に到達するための停戦である。瓦礫の上に旗を立てたところで、それはどういう勝利なのか」と言及。
「神にできないことは何一つない」とし、「聖母の取り次ぎのもとに、神により頼もう」と、人々と共に「お告げの祈り」を唱えた。(CJC)