WCC バレンタインデーにメッセージ「愛は癒やし、傷つけない」 2023年2月14日
世界教会協議会(WCC)はバレンタインデーを前に、健全な人間関係について「Love Heals, Not Hurts(愛は癒やし、傷つけない)」と題するメッセージを発信した。今年で5年目となるこのキャンペーンは、レイプや暴力のない世界を目指す世界的な運動「WCC Thursdays in Black(木曜日に黒いものを身に着けることで訴える運動)」の一環である。
バレンタインの特別メッセージは、ソーシャルメディアのカードでも共有され、ジェンダー正義に向けたWCCの活動の一環として、毎年恒例となっているもの。総幹事のジェリー・ピレイ牧師はビデオで、聖書には愛があらゆる霊的な贈り物の中で最も偉大だと書かれていると指摘した。「それは他人に対する深く優しい、情熱的な愛情であり、親、子、家族、友人に対する温かい個人的な愛着や深い配慮の感情だ」と彼は言う。「愛は相手を大切にし、尊重し、相手の幸福を支え、見返りを求めない」
これは、家族的な関係、プラトニックな関係、そして恋愛関係において、多くの人が共有し、受け取っている愛であるとピレイ氏は続けた。「愛を祝福するこの季節に、愛の象徴を分かち合うことは自然で健康的なことだ」と述べた。「そのような分かち合いは、最高の状態で、個人、共同体、社会として私たちを強める」
WCCは1998年に、性的またジェンダーに基づく暴力を罪と宣言し、2018年にはそのような行為に対する非難を繰り返した。しかし、女性や少女、男性、少年に対する暴力は、悲劇的な統計が示すように、日々続いている。
2020年には世界中で約8万1000人の女性と少女が殺害され、11分に1人の割合で女性が殺害されている。その中でも、4万6980人の女性と少女が親密なパートナーからの暴力の結果として死亡している。女性の3人に1人は、一生のうちに身体的、性的、またはその他の何らかの虐待に直面している。「このことは、10億人以上の女性と少女が虐待やその他の暴力の影響を受け、7億3600万人の少女と女性が親密なパートナー、あるいはパートナー以外の身体的、性的暴力の影響を受けていることを説明していることを、私たちは認識していないかもしれない」とピレイ氏は述べる。
「愛は簡単に誘発されるものではなく、悪でもない」とピレイ氏は結論づけた。「愛は癒やし、愛は回復し、愛は贖罪する」「今年のバレンタインデーも、そしていつも、WCCはレイプと暴力に反対する」
(翻訳協力=中山信之)