昨年2月より続くロシアによるウクライナへの軍事侵攻。当初は早々に終わるのではないかと考えられていたが、戦況は一進一退しながら交戦状態が続いている。「ミステリー・ニュース・ステーション」(日本語)によって紹介する。
事実、ロシア正教会のイオアン・ブルディン司祭が教区の人々に聖書の有名な言葉「汝、殺すなかれ」と言ったことを問題視され、神父としての地位を失い、戦時中の検閲法の下で罰金を科されることになるという事態が発生した。
現在、ロシアではウクライナへの軍事侵攻に対して大っぴらに反対する発言をすることはタブーとされている。ウクライナへの侵攻は領土を取り戻すための当然の行為となっており、「戦争」と呼ぶことすら犯罪行為となりうる。ブルディン司祭の聖書を引用し平和主義を強調した説教は、正教会の指導者たちに報告された。そして検閲法によって即座に有罪判決を受け、3万5000ルーブルの罰金を科され、教区司祭の地位から退くことを余儀なくされたのだ。
その後、6月16日に行われた教会裁判所の審問で、ブルディン司祭の説教が改めて検討されることになった。訴状ではブルディン司祭の言葉が「総主教と主教に対する信者の信頼を損ない」、教会とその統一に損害を与えたと書かれている。ロシア正教会は、過去に「祖国を守る戦士を祝福」しており、教会当局もブルディン氏の平和主義的な態度は明らかに反ロシア的であり、したがって「受け入れられない」と明らかにしている。(CJC)