【地方からの挑戦~コレカラの信徒への手紙】 あの人も私も、主イエスにつながっている! 大橋茉莉耶 2023年6月21日
教会は、私たちが主イエスの復活にあずかって、共に復活することを信じます。それは、「わたしにつながっていなさい。わたしもあなたがたにつながっている」(ヨハネによる福音書15章4節=新共同訳)と、主イエスがおっしゃったからです。
いきなりですが、牧師はよく「私の葬儀をしてくださいね」と言われます。浜北教会では、「葬儀に対する要望書」を全員に書いていただくので、話す機会が多かったとも言えます。信徒(送り出される側)は明るくしていますが、牧師(送り出す側)は内心、お別れなんて寂しいことは想像したくないという気持ちもあります。一方で、死について明るくお話しできるのもまた復活の希望を持っているからにほかならず、喜ばしい限りです。
葬儀と共に話題になるのが墓です。個教会あるいは複数教会で共同墓地を持ったり、教会内に納骨堂を持っているところもあります。浜北教会は、1946年に初代牧師の自宅で農村伝道が開始され、20年後にはその土地に納骨堂を建て、会堂移転後もその納骨堂に先達が納められてきました。しかし、急な坂や足場の悪さから、墓前礼拝に参加できない方もおりました。他にも、元々は農地なので墓地の申請をしておらず、現在の法律では許可が下りないなど課題が多く、現会堂の敷地内に納骨堂を移転する方向で決まりました。ところが町内会の説明会では賛成が得られず、計画がとん挫してしまいました。
そのころ、近所に新しくメモリアルガーデンが設立されました。整えられた芝生や明るい雰囲気が教会墓地にぴったりで、礼拝に十分なスペースもあり、これがみ心だったのだと気がつかされました。デザインも一から考案し直し、牧師パートナー仲間の工房に注文したステンドグラスを入れ、素晴らしい教会墓地が完成しました。墓石には、夫が祈って与えられたこのみ言葉が彫られています。「わたしにつながっていなさい。わたしもあなたがたにつながっている」。幸い、墓前礼拝の出席者も増えました。
ところで、「牧師はどこのお墓に入るのですか?」と聞かれることがあります。最後にお仕えした教会や、隠退後の出席教会の場合もありますが、家の墓に入る選択肢もあり得るでしょう。皆さんが家の墓を建てたり継ぐのと同じく、牧師も「家族と同じ墓に入りたい」という希望を持つことがあるからです。実は、家の墓においても主を証ししていく手段があります。私の実家はクリスチャンの多い家系で、納められている何人かは、名前と一緒に十字架が刻まれています。このような形で信仰が受け継がれていくのもまた良いでしょう。
どうか皆さん、最後までクリスチャンとして希望を捨てないでください。何より、このことは皆に言えるでしょう。コレカラの信徒たちは、逝去者記念や墓前の礼拝で信仰の先達を覚える時、復活の希望は増し、「あの人もわたしも、主イエスとつながっている!」と、励まされることでしょう。どうか皆さんが、死への不安や悲しみが取り除かれ、主に最善の道を示されますように。コレカラの者へ証ししてゆけますようにと、祈っています。
大橋茉莉耶
おおはし・まりや 1989年、東京都で牧師家庭に生まれる。敬和学園高等学校、東京神学大学・大学院終了後、日本基督教団浜北教会に着任し、伝道師を経て牧師となる。2023年度より日本基督教団茨木教会へ転任。2児の母で、趣味は歌うこと。