WCC ロシアに黒海穀物取引の回復を要請 2023年8月15日

 世界教会協議会(WCC)総幹事のジェリー・ピレイ氏は、公式サイトで「今日、2億4700万人が食糧安全保障に関するストレスに直面し、2400万人が飢饉に瀕しているか、飢饉に直面している中、ロシアが黒海穀物イニシアティブから離脱することは、世界の食糧安全保障にとって大きな不幸である」との姿勢を明らかにした。

 概要は以下の通り。


 ロシアとウクライナの戦争が始まって526日が経過したが、深刻な被害をもたらす紛争は、世界の食料安全保障と農業に悪影響を及ぼしている。両国を合わせて世界の小麦の30%、トウモロコシの20%、ヒマワリ油の70%を供給し、ロシアが世界の窒素肥料の約25%を生産していた開戦前の状況と違い、この戦争により世界中のさまざまな地域で食料が値上がりし、最貧困層への食糧供給は不可能になっている。

 現在進行中のダム、橋、インフラ、貯蔵サイロ、港湾の破壊、農地の氾濫による被害はすべて、この地域の人々や世界にとって不可欠な食料と生活の生きた源であるこの地域の能力を、長期的に低下させるものである。私たちは、この地域に団結、平和、和解、正義を取り戻すため、紛争の即時停止を改めて求める。

 戦争が続いているにもかかわらず、ウクライナの港から世界市場への穀物と肥料の安全な輸出を可能にするために、ロシアが黒海穀物に関するイニシアティブを放棄するという決定を撤回することが不可欠である。7月までの1年間にウクライナの港から出荷された3300万トンの穀物は、世界食糧計画(WFP)が獲得した物資の大半に貢献し、世界の食糧価格を引き下げた。

 イニシアティブを回復させることは、食料価格とインフレを下げ、多くの地域における食料不足と人道危機を防ぐことになる。また、ロシアとウクライナの緊張と不信を和らげ、対話と協力を促進するための前向きな一歩となるだろう。

(翻訳協力=中山信之)

写真=Albin Hillert

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