聖公会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教は10月18日、声明を発表し、聖公会が運営するガザのアル・アハリ病院に対する「残虐な」攻撃を非難した。事実関係が明らかになるまで責任を分け合うことについて節制を強く求めつつ、同大主教はその攻撃が「人間の命がもつ神聖さと尊厳を侵害する」ものであると述べた。
同大主教は、「この戦争において戦闘員でない子どもたちや大人たちに援助が届くのを妨げられていることは、非良心的であります。病院や学校、そして難民キャンプが攻撃されていることは、弁護の余地がありません。ハマスによって人質が囚われていることは憤慨であります」と付け加えた。
「すべての側にいる無実の人々の流血や虐殺、そして苦しみは止まなければなりません」「私たちが確実に知っていることは、この暴力は聖地の人々が値する未来を彼らに確保することはないということです」と、同大主教は述べた。
以下は、大主教による10月18日付の声明文を「エキュメニカル・ニュース・ジャパン」が全訳したもの。
本日、私は、聖公会が運営するアル・アハリ病院に対する昨日の残虐な攻撃を経て、ガザやイスラエル、そしてヨルダン川西岸地区にいるわが聖公会の兄弟姉妹たちに加わって、深く悲嘆いたします。それは同じ病院に対する先週金曜日の攻撃からあまりにも近い時に続くものであります。これは私が訪問した病院であり、そしてその職員たちと共に私は祈ったことがあります。
この残虐行為は人間の命がもつ神聖さと尊厳を侵害するものであります。それは、病院や医師、そして患者たちは保護されなければならないことが明確である、人道法の違反であります。この理由のために、すべての事実関係が明らかにされる前に責任を分け合うことに私たちは節制を行うことが肝要であります。
イスラエルの人々に対する、ハマスによる邪悪で凶悪なテロ攻撃は、神と人道に対する犯罪であります。イスラエルには自らを防護し、そしてその安全保障を確立するために相応かつ判断を識別する対応を追求する正当な権利と義務があります。戦争の規則は、民間人や、一人ひとりの人間がもつ命の価値を保護するためにあります。紛争の混沌のただ中において、それらは可能な限り高い程度まで支持されなければなりませんし、そうでなければ暴力の悪循環が何世代にもわたって続くことになるでしょう。
人口の多いガザ地区に対するイスラエルの爆撃作戦は、大規模な民間人の犠牲者や苦しみをもたらしています。ガザの人々は水や食料、医療物資、そして避難場所がなくなりつつあります。イスラエルと世界中にいる家族は、今もなお自らの愛する人たちの知らせを待っています。この戦争において戦闘員でない子どもたちや大人たちに援助が届くのを妨げられていることは、非良心的であります。病院や学校、そして難民キャンプが攻撃されていることは、弁護の余地がありません。ハマスによって人質が囚われていることは憤慨であります。すべての側にいる無実の人々の流血や虐殺、そして苦しみは止まなければなりません。
根本的な問題はこれです:安全なイスラエル国家と安全な隣のパレスチナ国家の両方のためにどんな社会が想定されうるのか。その道は明確ではありませんが、しかしそれは想像されなければなりませんーそしてその想像は再び今始まらなければなりません。私たちが確実に知っていることは、この暴力は聖地の人々が値する未来を彼らに確保することはないということです。
私は、人質が解放され、民間人が保護されるよう、改めて訴えます。私は、さらなる命の喪失を防ぐために、ガザの中への迅速かつ安全な人道的アクセスを認めるようにという国際的な呼びかけに加わります。私は、聖地にある教会と連帯して、エルサレムの平和のために改めて祈ります。私は、今もなお嘆き悲しみ恐怖のうちにあるイスラエル人やパレスチナ人と共に悲しみます。
イエス・キリストの御名において、私たちは異なる道を強く求めますー罪のない命が救われ、すべての人々のための正義と安全保障そして永続的な平和を追求する道を。
(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)