同書でクイズに登場するのはタレントの小島よしおさん。2007年に「そんなの関係ねえ!」のギャグで一世を風靡し、近年では、子ども向けお笑いライブや、「小島よしおのおぱっぴー小学校」をYoutubeで配信するなど、子どもたちのための活動へと軸足を移している。昨年、賀川豊彦記念松沢資料館(東京都世田谷区)を訪問し、館内の展示をめぐりながらクイズに回答していく動画「小島よしおと一緒に学ぶ ボランティアの父 賀川豊彦」を制作し、同書ではその動画と連動させながら、さまざまなエピソードをクイズで復習する形で紹介する。
小島さんは、動画に出演するまでは賀川について深く知らなかったという。賀川の生き方・行動力を偉大すぎると強調しながらも、賀川が原子記号をかるたや将棋で覚えられる知育玩具を作っていたことを知って、自身も子どもに向けていろいろ活動していることから、自分と重なる部分を感じたと話す。また、自身の出身大学の生協を賀川が作っていたことや、妻やマネージャーの母校も賀川と関連があったこと、さらに父親の仕事も賀川と関わりがあったことなどを明かし、いかに賀川が多方面にわたって活動していたかが分かるエピソードを披露した。
クイズのほかにも「『そんなの関係ねぇ!』精神の先輩を発見!」と題した寄稿も同書に寄せている。小島さんは、「そんなの関係ねぇ」というギャグは、仕事も決まらなくて、お金もなくて、自暴自棄になって使っていたが、子ども向けの企画をやるようになって、「まわりの目を気にするな」というメッセージとして使うようになっていったという。「やっと賀川豊彦イズムに追いついてきたというか、背中を押されているというか……。今でこそ、賀川豊彦の活動はすごいと賞賛されていますが、最初は困難なことがあったのではないかと思います。そのたびに『そんなの関係ねぇ!』という思いで他者のために突き進んでいったのではないでしょうか。そう思うと勇気が湧いてきます」
寄稿で最も伝えたかったことについては、「賀川豊彦の存在をもっと広めたいなと。いろいろなことをやってきている人のなので、人によってどの活動に胸打たれるかは一人一人違うような気がします。それでも、賀川豊彦の活動に感銘を受ける人が一人でも増えてほしい。僕は子どもと携わることが多いので、それを分かりやすく伝えていければいいなと思いました」と回答。
小島さんは、2月3日(土)に連合会館(東京都千代田区)で開催される第2回シンポジウム「たすけあい、ボランティア、働くを考える集い」(「関東大震災100年事業賀川豊彦とボランティア」実行委員会主催)にもスペシャルゲストとしてビデオ出演する。同シンポジウムでは、映画『医師 中村哲の仕事・働くということ』を鑑賞して、NGOペシャワール会、協同組合の若手らと共に、「たすけあい」や「協同組合」などをゆるやかに語り合う。
「まんがでわかる賀川豊彦と考えるボランティア」
編者:関東大震災100年事業 賀川豊彦とボランティア実行委員会
発行:家の光協会
仕様:B5判・64ページ
定価:600円(税込)
第2回シンポジウム「たすけあい、ボランティア、働くを考える集い」日時:2月3日(土)後1時半〜4時半会場:連合会館(東京都千代田区)参加申込みは、1月29日(月)までに申し込みフォームより申込み。詳細はこちらのウエブサイトで。
「関東大震災100年事業賀川豊彦とボランティア」実行委員会は、関東大震災100年を機に立ち上げた。賀川ゆかりのキリスト教関係、平和運動関係(世界連邦運動協会等)、協同組合関係(生協グループ・JAグループ・労金等)、労働組合関係等37団体が参加している。共同実行委員長は、鵜殿博喜(明治学院学院長)、土屋敏夫(日本生協連会長)、芳野友子(連合会長)。