「カトリック新聞」2025年3月で休刊 紙媒体は月1発行の無料広報誌に移行 2024年2月26日
カトリック新聞社(カトリック中央協議会事務局新聞事業部)の発行する「カトリック新聞」が、2025年3月末の4761号をもって休刊することを発表した。
2月26日に更新されたサイト上の「休刊のお知らせ」によると、「定期購読者数が減少し、経営的には厳しい状況が続いており」、「インターネットの普及のスピードを考え合わせたとき、日本のカトリック教会の情報発信をどのようにするべきか、数年前からそのあるべき姿について検討を重ね」た結果、カトリック中央協議会における情報発信の部門を統合し、毎週1度発行する(週刊)紙媒体の「カトリック新聞」から、インターネットでの発信へと移行するという。
紙媒体としては、毎月1度の無料広報誌として継続し、各小教区や修道院、教会関係施設に配布するなどの方法で届ける予定。「詳細で速報的なニュースはインターネットで、教会全体の流れは紙媒体でという棲すみ分けになろうかと思います」と説明している。
同紙は1923年1月1日、前身である「公教青年時報」が創刊されて以降、同年5月の第9号から「カトリックタイムス」、31年1月の第273号から「日本カトリック新聞」と 改題。戦中は用紙不足などの事情で休刊の時期を経て、46年2月から「カトリック新聞」第1号として復刊。73年にカトリック新聞社の運営が司教団に移譲され、98年にはカト リック中央協議会事務局新聞事業部の管轄となり現在に至る。昨年、創刊100周年を迎えたばかりだった=写真。
公表された告知の全文は以下の通り。
カトリック新聞の新しい歩み
~週刊「カトリック新聞」休刊のお知らせ~
日本カトリック司教協議会会長/東京教区大司教 菊地 功
日頃からカトリック新聞をご愛読いただいている皆様には、心より感謝申し上げます。1923年1月1日に、カトリック新聞の前身である「公教青年時報」が創刊されて、昨年2023年で、カトリック新聞は創刊100周年を迎えました。
カトリック新聞は、日本のカトリック教会にとって唯一の機関紙であり、教皇様の動向をはじめ国内外の教会に関わるさまざまな情報を伝えるメディアとして、これまで重要な役割を果たしてきたと自負しております。
これまでの100年間、途中戦争の時代も経て、多くの困難に遭遇しながら新聞発行を続けることができたのは、教会に関わるさまざまな出来事に興味を持ち、新聞をご愛読くださった皆様のおかげです。
このたびは、ご愛読いただいている皆様に、お知らせしなければならないことがあります。大変申し訳ありませんが、以下にご説明申し上げる諸事情から、現在の週刊でのカトリック新聞は、2025年3月30日付(4761号)をもって休刊致します。
カトリック新聞は、ご愛読いただいている皆様の定期購読料と、多くの方々の広告掲載に伴う収入で運営を支えてくることができました。しかし近年、定期購読者数が減少し、経営的には厳しい状況が続いておりました。
また21世紀に入ってからのほぼ四半世紀、報道メディアは大きな変動の時代を迎え、インターネットが報道の主役となりつつあります。もちろん私たち司教団も、印刷された情報は手元に置いて、繰り返し立ち返りながら理解を深める手段であって、同時に新聞は、投稿欄などを通じて、一般読者が社会に向けて意見を述べる重要なコミュニケーション手段であることを理解しております。
しかし同時に、現在の新聞事業の経営状況と、インターネットの普及のスピードを考え合わせたとき、日本のカトリック教会の情報発信をどのようにするべきか、数年前からそのあるべき姿について検討を重ねて参りました。
その結果、数年後を見据えて、現在、カトリック新聞、広報、出版と独立しているカトリック中央協議会における情報発信の部門を統合し、新たな形での情報発信の姿を確立するために、具体的な作業に入ることを決定致しました。
それに伴い、カトリック新聞は、現在の形、すなわち毎週1度発行する(週刊)紙媒体(現在の新聞)を休止し、インターネットでの発信へと転換することに致します。ただし、インターネットへのアクセス(つながること)が難しい方もおられますので、いわゆる「新聞」という紙媒体での発行も、毎月1度の形で継続致します。なおこの月に1度発行する「新聞」は、無料広報誌とし、各小教区や修道院、教会関係施設に配布するなどの方法でお届け致します。その編集方針などは今後の検討課題ですが、詳細で速報的なニュースはインターネットで、教会全体の流れは紙媒体でという棲すみ分けになろうかと思います。
これまで愛読し支えてくださった多くの皆様のご期待を裏切る形となり、大変申し訳ありません。日本の教会としての情報発信は、これまで以上に細やかに取り組んで参ります。どうか皆様のご理解をお願い申し上げます。