ロサンゼルス市が「グレッグ・ボイル神父の日」制定へ 2024年5月23日
米カリフォルニア州ロサンゼルス市は5月17日、毎年5月19日を「グレッグ・ボイル神父の日」と定めると発表した。ボイル神父は現在70歳のイエズス会神父で、世界最大級のギャングの更生・リハビリ支援団体である「ホームボーイ・インダストリーズ」の創設者として知られる。同氏は今月3日、ジョー・バイデン大統領から長年の功績を称えられ、米国における文民の最高位の勲章「大統領自由勲章」をホワイトハウスで授与されたばかり。「レリジョン・ニュース・サービス」が報じた。
ボイル神父は1954年生まれ。84年に神父となり、86年には当時ロサンゼルス市内で最貧困の教区だったドローレス・ミッション教会に赴任。当時のロサンゼルスはギャングによる暴力・犯罪がピークを迎えていた時期だった。同時にギャングに対する社会の偏見も強く、それがギャングを脱した者たちの社会復帰の妨げとなるという悪循環が生じていた。こうした問題に対処すべくボイル神父は、元受刑者への就労支援を行う団体「未来のための仕事」を創設(1992年に現在の名称「ホームボーイ・インダストリーズ」に改称)。同団体はその後規模を拡大し、提供するサービスも多様化。就労支援に加えて、アンガーマネジメント講座、タトゥーの除去、その他の法的支援も行う。現在、同団体のプログラムを利用する人は年間1万人にものぼるという。
元受刑者で、ボイル神父と同団体のサポートに救われたという55歳の男性は「何度転んだって、ボイル神父は見捨てないでいてくれるんだ」とその人柄を称える。「神様は美しい。神様はすべてだ。ボイル神父もちょっとそれに似ているかな」
また今回の「ボイル神父の日」の制定にあたり、ロサンゼルス市議の1人は、ボイル神父が「我々の社会の中で置いてきぼりになりがちな人々の地位向上」に尽力してきたことに感謝した。
ハリウッドなどを抱えるロサンゼルス市は米国の中でも世俗都市のイメージが強い。そうした中で今回の「ボイル神父の日」の制定は、同市における宗教者の長年の地道な社会貢献に光を当てるものとなった。
(翻訳協力=木村智)
By durfeefoundation - Keynote Address: Father Greg Boyle "Kinship" at 24:10, cropped, CC BY 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=84669937