カマラ・ハリス米副大統領の精神的支柱 アモス・ブラウン牧師が選挙戦に向け激励の祈り 2024年7月30日
バイデン米大統領が秋の選挙戦からの撤退を発表したことで、民主党の新たなリーダーとして浮上しているカマラ・ハリス現副大統領。その背後には一人の黒人バプテスト牧師の精神的支えがある。サンフランシスコ第三バプテスト教会のアモス・C・ブラウン牧師(83歳)だ。エキュメニカルなキリスト教メディア「ソジャーナーズ」誌が7月23日に報じた。
1941年生まれのブラウン牧師は1976年、第三バプテスト教会に赴任し、今日に至るまで現役一筋。牧師職のかたわら、公民権運動家としても活動し、黒人や性的マイノリティの権利の向上のためのさまざまな取り組みをしてきた。現在は全米黒人地位向上協会(NAACP)のサンフランシスコ支部の会長も務める。
その彼の教会に、サンフランシスコ時代から通い、現在に至るまで会員であり続けているのがハリス副大統領だ。現在首都ワシントンDCを拠点とするハリス氏だが今でもブラウン牧師を深く慕っており、バイデン大統領の離脱の報を受けた7月21日当日には同牧師に電話をかけ、今後自分が大統領選に挑むにあたっての激励を求めた。ハリス氏は同牧師に、「私と夫とアメリカのために、そしてこれから私が挑む大統領選挙のために祈ってほしい」と頼み、同牧師はハリス氏を祝福し、励ます祈りを捧げた。またアメリカの指導者になる上での心構えとして、旧約聖書ミカ書6章8節の「公正を行い、慈しみを愛し/へりくだって、あなたの神と共に歩むこと」という言葉をハリス氏に与えたという。
米国の大統領選では共和党の候補とキリスト教界(特に「福音派」)の密接なつながりに注目が集まりがちだが、民主党の政治家もまた公私さまざまなレベルでキリスト教界と深く結びついている。ハリス氏のバプテスト信徒としての信仰が今後どのような形で選挙戦や政策レベルで見られるのか、目が離せない。
(翻訳協力=木村 智)
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