キリスト教書店大賞に『証し 日本のキリスト者』 2024年8月11日

 全国のキリスト教書専門書店員が選ぶ「キリスト教書店大賞2024」(キリスト教出版販売協会主催)の結果が8月1日に発表された。大賞に選ばれたのは、最相葉月著『証し 日本のキリスト者』(KADOKAWA)。一般の出版社から刊行された書籍が選ばれるのは、渡辺和子著『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎)以来11年ぶり。

 同賞は、キリスト教出版販売協会に加盟する全国のキリスト教専門書店が、過去1年間に刊行された本から「売りたい・お勧めの本」を投票形式で選ぶ賞で、2011年から始まり今年で14回目。毎年5月ごろにノミネート作品が発表される。

 『証し 日本のキリスト者』は、ノンフィションライターの最相葉月氏が北海道から沖縄、五島、奄美、小笠原まで全国の教会を訪ね、そこで暮らすキリスト者135人に、神とともに生きる彼らの半生を聞き書きした、1千ページ超の渾身の長編ノンフィクション。構想に10年、取材に6年を費やした同書には、教会が発行する「証し集」では決して知ることができない無名のクリスチャンたちの真の声が収められている。

 今回の受賞について最相氏は、「投票してくださった書店員の皆様ありがとうございます。6年間の取材でお預かりしたキリスト者の言葉一つひとつを改めて思い起こし、皆様のご推薦を力にさらなる未来にお届けできることを心から感謝申し上げます」とのコメントを寄せた。横浜キリスト教書店の高橋友彦さんは推薦した理由について、「少数派である日本のキリスト者。多くの牧会者と信徒の方々の体験を基にした『証し』が決して一様でないことを考えさせられる。自分自身の信仰について振り返る時に良い示唆を与えてくれる本」と。

 大賞に続く2位には『保育者の祈り こどものために、こどもとともに』(日本キリスト教団出版局)、3位には『非暴力の教育 今こそ、キリスト教教育を!』(日本キリスト教団出版局)が選ばれた。

『証し 日本のキリスト者』著者・最相葉月さんインタビュー 無名の信仰者に光を 6年で135人から聞き書き 2023年4月1日

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