菊地功大司教 日本から7人目の枢機卿に 2024年10月7日
教皇フランシスコは10月6日、バチカン・サンピエトロ広場での「お告げの祈り」において、12月8日の枢機卿会議で新たに任命する21人の枢機卿を発表した。日本から選ばれた菊地功氏(東京教区大司教)は、前田万葉枢機卿(2018年~)に次いで7人目。
21人のうち、教皇選挙の投票権を持つ80歳未満は20人、投票権を持たない80歳以上は、99歳のアンジェロ・アチェルビ大司教のみ。出身地を大陸・地域別に見ると、ヨーロッパ10人、アジア4人、アフリカ1人、北アメリカ1人、南アメリカ5人となっている。
12月8日の任命式後、枢機卿会のメンバーの計256人のうち、教皇選挙の投票権を持つ80歳未満の枢機卿は141人、投票権を持たない80歳以上の枢機卿は115人となる見込みだという。
菊地氏は翌7日、ニュースで初めて知らされたことについての驚きと戸惑いを自身のブログ「司教の日記」で綴(つづ)り、「枢機卿は単なる名誉職ではなく、教皇様の顧問として果たすべき役割が多々あることを考えると、自分の足りなさばかりが浮かんできます。そもそもわたしはイタリア語が初歩の初歩で、やっと日常会話が理解できる程度です。教皇様とのコミュニケーションには、少なくとも英語の通訳が必要です」と吐露。
その上で、「この任命はわたし個人の名誉ではなくて、日本の教会にとって、また特に東京教区にとって大きな名誉です。加えて、現在その総裁を務めさせていただいている国際カリタスにとっても名誉」とし、「自分の身に余る役目を仰せつかったと思います。自分の足りなさに身が縮む思いをしています。どうかこれからも皆様のお祈りで支えてくださるように、心からお願い申し上げます」と呼び掛けた。
きくち・いさお 1958年岩手県宮古市生まれ。86年司祭叙階後、2004年に新潟教区司教に任命される。2017年から東京大司教。2023年の第22回国際カリタス総会で国際カリタス総裁に選出された。
枢機卿(cardinalis)=重要な案件について教皇を直接に補佐する枢機卿団を構成すると同時に、個々の枢機卿は、教会全体にかかわる日常的な職務について教皇を助けます。また教皇選挙権は枢機卿だけがもちます。枢機卿は、原則として司教の叙階を受けた人の中から教皇が自由に任命し、任期は設けられていません。(「カトリック中央協議会」公式サイトより)