WCC「すべての人々のためのメンタルヘルスとウェルビーイング」促進を企図しキャンペーン 2024年10月12日
世界教会協議会(WCC)は、「希望のキャンペーン すべての人々のためのメンタルヘルスとウェルビーイング」を開始し、信仰共同体がメンタルヘルスとウェルビーイングを促進し、維持する環境となることを可能にするための世界的なアライアンスを召集する。
WCCの健康と癒やしに関する教会委員会は、メンタルヘルスを四つの優先事項の一つとして特定している。世界メンタルヘルスデーは10月10日。
メンタルヘルス問題は、生涯のある時点で、全人口の25%以上が影響を受けるものだ。15歳から29歳までの年齢層では、自殺が死因の第4位となっている。しかし、平均すると、各国の医療予算の2%未満しかメンタルヘルスにあてられていない。
このキャンペーンは、信仰に基づくネットワークに力を与え、継続的な精神衛生に関する取り組みを共有、支援、維持するためのプラットフォームを育成する運動の創出を主導する。また、精神衛生専門家と信仰コミュニティ間の対話を促進し、情報に基づいた安全で持続可能な支援と行動を導く。
また、このキャンペーンではさまざまなコンテクストにおけるトラウマの癒やしに関する経験の共有、精神的な健康を維持するためのリソースやピア・ラーニングの共有、信仰共同体におけるメンタルヘルスに関するトレーニングや教育の促進も行う。
WCC加盟教会、各国および各地域のエキュメニカル組織、キリスト教世界共同体、信仰関連のヘルスネットワークや機関、信仰に基づく青少年運動、および聖書協会は、このアライアンスへの参加を要請されることになるだろう。
WCCはこのアライアンスを招集し、年に2回、オンライン会議を開催。また、ファクトシートや特定の精神疾患に関する情報、優れた実践事例のまとめ、聖書や文脈の分析、考察、祈りなどを含め、参加型のやり方でのリソースの共有をキュレートし促進するとしている。
健康と癒やしに関する教会委員会のディレクターであるマノジ・クリアン氏は、「世界中の地域社会では、メンタルヘルスケアや専門家へのアクセスが限られているため、適切なネットワークやサポートシステムで、世界中に存在する信仰共同体が、メンタルヘルスの専門家と緊密に協力しながら、メンタルヘルスの促進に動員されることが不可欠」と指摘した。
(翻訳協力=中山信之)
写真=Albin Hillert/WCC