【地方からの挑戦~コレカラの信徒への手紙】 必要はすべて備えられ 嶋田百々子 2024年11月11日
前号で書かせていただいたように、まず私に召命が下りました。突然の迫り(考えてみれば何度かあったわけですが……)を感じ、「牧師だけは嫌です! 怖いです!!!」と叫んでいました。主に「私はいつも、あなたの願いを聞いてきたね。今度は私の願いを聞いてくれないか?」と言われ「主が責任をとってください」と祈らされました。
しばらくし、当時の牧師から「君は献身しないの?」と聞かれ「ああ、とうとう」と「家族の事情で、都会へ長期間勉強に行くことはできません」とお伝えしました。日をしばらく置いて、牧師が1枚の「教団新報」を持って日本基督教団Cコースの募集要項を手渡してくださいました。家族と私は祈りました。「どうしても百々子なのでしたら、分かる形で見せてください」。その数日後、突然義父母が「洗礼を受ける」と言い、次男と一緒に洗礼を受けました。家族は天を仰ぎました。その後も、さまざまな必要を主が備えてくださり、尾鷲教会にお仕えすることとなりました。
さて、海山会堂です。予算を考えると、10年計画と考えておりました。ところが、そのようなゆっくりしたものではありません。尾鷲教会が協働牧会のモデル教会になるかもしれないという連絡をいただき、ビジョンを聞かれ、海山会堂のお話をしたところ、選んでいただき、全国から、献金、献品をいただいたのです。必要が満たされていく様に戦慄が走りました。のんびりと思っていたのに、主よ、あなたは急げと言われるのですか? とにかく、皆で掃除をしました。1週間、皆で入れ替わり立ち替わり掃除し、何とか拭き掃除まで終えました。
次の日曜日、1人の姉妹が天に召されました。生前海山会堂で葬儀をしてほしいと言っていたそうですが、現尾鷲教会役員のご家族は諦めていたそうです。それが、急遽、葬儀を行うことに。その葬儀の直後、私が牧師試験に受かったら洗礼をと言ってくださっていた60代女性が天に召されました。草刈りも手伝ってくださった方でした。「何故ですか?」と泣きながら、怒りを主にぶつけました。しかし、お二人の一連の葬儀で延べ300人を超える方が海山会堂に足を運んでくださいました。あり得ないことです。
海山会堂をカフェにという案が一番良い案として浮上していましたが、現場責任者が決まらず頓挫。では、国際貢献でき、災害時には地域のためになる自販機を置き、皆さんに、飲みながらレストスペースとして使っていただこうという案が出てまいりました。「これだ!」と、皆で祈りに祈り3社にお願いしましたが、3社ともダメでした。最後の営業の方に「この地域は特殊なのです。お隣の市やったら置けるのですが……」と、断られ、意気消沈し帰る車中「皆で祈りながらやってきたつもりでしたが、間違えていましたか?」と祈りました。帰ると、次男が「営業マンの方が、これ渡していったよ」と名刺とチラシを渡されました。そこには、長年、別の形でお世話になった方のお名刺と、ウオーターサーバーのチラシ。役員会にかけると皆さん「やってみましょう!」
気づけば、一番ランニングコストのかからない方法を主が備えてくださいました。そこに、スクリーンと、絵本の寄贈。また、ご近所に多くの親戚がみえる大阪の教会に所属している姉妹より、「三浦綾子読書会」開催の申し出があり、役員会で一致し、お願いしました。加えて、超教派の南勢牧師会会場として、中間地点にある海山会堂を使わせてほしいという申し出も受け、超教派の活動や、地域とのつながりのための場所として、整えられていきました。
ハレルヤ、主はほむべきかな!
しまだ・ももこ 1975年三重県生まれ。1999年受洗。2020年、日本基督教団伝道師となり尾鷲教会に仕える。2022年、名古屋中央教会にて按手礼を受け日本基督教団牧師となる。趣味:言語学習(喋れませんのでご注意ください)、ヒムズジャズ。