【地方からの挑戦~コレカラの信徒への手紙】 愚かな歩みこそ最善と信じて 嶋田百々子 2024年11月21日
海山教会学校にまつわる私たちに示された祝福は、尾鷲教会の信徒一人ひとりを大きく励まし、導いてくれました。
これは誰が思い描いたことでしょう。決して私ではない。誰でもない。主の業です。尾鷲教会の歩んできた道は、特に私が目を背け外に行っていた15年間は、本当に厳しい道のりでした。改めて、先達の皆様、歴代の牧師に感謝いたします。また、この世的に見れば、現状の尾鷲教会もまた、決して楽な道のりを歩いているわけではありません。礼拝出席者は平均14人です。しかし、主は「主ご自身があなたに先立って行き、あなたと共におられる。主はあなたを置き去りにすることも、見捨てることもない。恐れてはならない。おののいてはならない」(申命記31章8節)と私たちを励まし、鼓舞してくださいます。
今、一つのビジョンが与えられています。それは、たとえ礼拝人数がその日少なくなったとしても、送り出す教会になっていくことです。
尾鷲教会にはさまざまな賜物を持った方が集っています。また、そのクオリティは、趣味の範疇にとどまらないものです。音響、ウェブデザイン、書道、ピアノ、歌、植物、司書、教育、料理、修理、お菓子作り、おもてなし、漢方、マッサージ、企画、数学、土木技術者……。すべて、どこでも用いていただけるレベルの方ばかり。
その方々を、「教会でこんなことをします。よかったら来てくださいね!」ではなく、来てほしいというところに祈りを持って愛のうちに送り出す。使徒言行録のアンティオキア教会のように。そのような教会になりなさいと示されています。礼拝を生活の中心としている教会が祈りを持って送り出すことに意味があると思わされています。
ある優秀な独身女性が私にこう尋ねました。「結婚したら男性は、さらにステップアップする。しかし、女性は今までのキャリアを捨てないといけないことが多い。それが怖くて結婚する気にならないのは、だめですか?」
私は答えました。「ダメではないけどー! なんで、そこに登場人物があなたとパートナーの2人なの? 教会も混ぜてよ! キャリア捨てたくなければ捨てなくていいじゃん! 子どもを授かったら、教会みんなで育てようよ! 知り合いに預けるのに、認可も何も要らないでしょ?」
男の子2人の育児経験のある女性牧師の言葉にしては軽いし愚かですよね。責任の所在は? 何かあったらどうするの? 覚悟は? しかし、神様は最も愚かな方法で人間を救おうとなされるお方です。イエスキリストの十字架と復活。最も愚かで知恵ある方法で。
ですから、私たちも、愚かな何の意味もなく見える方法で、主の業に期待しながら、祈りつつ、上からの知恵を求め、愛である福音を宣べ伝えていくのです。折りが良くても悪くても、主にすがりながら私たちは歩んでいくのです。失敗したら思い切り共に泣き、喜ぶ時は共に喜びはしゃぎ、共に祈り合い、共に礼拝し賛美する教会へ。
「この町には、私の民が大勢いる」(使徒言行録18章10節)
ハレルヤ、主はほむべきかな!
しまだ・ももこ 1975年三重県生まれ。1999年受洗。2020年、日本基督教団伝道師となり尾鷲教会に仕える。2022年、名古屋中央教会にて按手礼を受け日本基督教団牧師となる。趣味:言語学習(喋れませんのでご注意ください)、ヒムズジャズ。