日本カトリック映画賞に安田淳一監督『侍タイムスリッパ―』 2025年3月21日

 シグニスジャパン(SIGNIS JAPAN=カトリックメティア協議会、土屋至会長)は2月19日、安田淳一監督の劇映画『侍タイムスリッパ―』(配給:ギャガ 未来映画社)に2024年度の日本カトリック映画賞を贈ることを発表した。

 同映画賞は、前の年の12月から次の年の11月までに日本国内で制作・公開された映画の中からカトリックの世界観と価値観にもっとも適う作品を選んで贈られるもので、今年で49回目を迎える。今回選出された『侍タイムスリッパ―』は、幕末の侍が現代の時代劇撮影所にタイムスリップして「斬られ役」として生き直すという奇想天外な物語。この映画の稀にみる面白さ、普遍的なメッセージ性が高く評価された。

 これまで多彩なジャンルの作品が選ばれてきた同映画賞だが、今回受賞したのはコメディでありながら人間ドラマ、そして手に汗握るチャンバラ活劇。タイムスリップ、チャンバラ活劇、映画作りが絡みあった安田淳一監督による異色の自主映画だ。シグニスジャパン顧問司祭の晴佐久昌英氏は、「映画における最高の誉め言葉の一つである『かっこよさ』にあふれた、人を幸せにする映画」と絶賛し、その「『かっこよさ』にキリスト教的価値観を見出した」と授賞理由について語っている。

 米農家と映画監督の兼業の生活を送る安田監督は、同作品が自主制作3本目となる。脚本、原作など1人11役を務め、昨年8月にインディーズ映画を推すことで知られる池袋シネマ・ロサ1館から始まり、口コミで評判を呼び、上映館はたちまち350館以上に広がった。今も絶賛上映中だ。YouTubeが配信するインタビューにおいて安田監督は、「この映画は困難な状況に追い込まれた人が諦めるのではなくて、自分の持っているものを懸命に研鑽して、新しい人生を築いていくという話なので、多くの人に見ていただき楽しんでもらいたい」と話している。

 シグニスジャパンでは7月に、日本教育会館一ツ橋ホールにて授賞式、映画上映および対談(安田淳一監督×シグニスジャパン顧問司祭、晴佐久昌英神父)を予定している。

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