新教皇にレオ14世 初のアメリカ出身 〝改革〟路線継承か注目 2025年5月21日

 新教皇を選ぶコンクラーベ開始2日目の5月8日(日本時間9日午前1時9分)、4回目の投票で選挙権を有する133人の枢機卿から3分の2以上の票を得て、ロバート・フランシス・プレボスト枢機卿が選出された。システィーナ礼拝堂の煙突から決定を知らせる白煙が上がると、サン・ピエトロ広場は世界中から駆け付けたカトリック信徒らの歓声に包まれた。アメリカ出身者として初となる新教皇は、レオ14世を名乗る。現代の教会における社会教説の基礎となった回勅「レールム・ノヴァールム」を1891年に発表したレオ13世の名を継いだものと見られている。

 レオ14世は、1955年アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ生まれの69歳。77年、セントルイス、聖アウグスチノ修道会、善き勧めの聖母管区の修練院に入る。カトリック合同神学校で学び、神学部を卒業後、27歳で聖アウグスチノ修道会からローマに派遣され、聖トマス・アクィナス大学(アンジェリクム)で教会法を学ぶ。82年に司祭叙階。84年にペルー、ピウラのチュルカナスでの宣教活動のために派遣されて以来、小教区の主任司祭や、北西部トルヒーヨの神学校の教員として従事。2014年、前教皇フランシスコによりチクラヨ(ペルー)教区使徒座管理者に任命され、スファル教区名義司教となる。2023年には枢機卿に任命され、バチカン司教省長官も務めた。

 日本カトリック司教協議会会長の菊地功大司教は、「教皇レオ14世の誕生にあたって」と題するメッセージの中で、「教会の司牧の現場と行政の現場の両方に深い知識と経験を持つ、力強い牧者」と評した。

 サン・ピエトロ広場での第一声でレオ14世は、キリストの平和を確立すること、対話と出会いの重要性を説き、共に道を歩むことの大切さに言及。ラテン語の「教皇」が「橋を架ける者」に由来することを強調していたフランシスコ教皇に倣い、「教会は、橋をかけ、対話しなければなりません。腕を広げたこの広場のように、人々を受け入れるために常に開かれていなければなりません」と呼び掛けた。

 菊地功大司教は11日、「教皇選挙を終えて」とのブログ記事(https://bit.ly/3F0CQqV)でコンクラーベの内幕について、公にできる範囲で報告し、「枢機卿団は、教皇フランシスコが、第二バチカン公会議から始まって、歴代の教皇が進めてきた教会の改革を、さらに完遂しようとされた方向性を継続し、同時に明確な教えを持って教会の一致を確立する牧者を見いだすことに努めました。それは類い希な才能と霊性を持った教皇フランシスコを引き継ぐ第二のフランシスコの誕生ではなくて、それは不可能なので、主イエスが託された務めを忠実に果たす使徒ペトロの後継者を見いだすことに努めました。その結果です」と綴った。

 公開の時期が重なったことで話題となった映画『教皇選挙』についても触れ、同作で描かれるような「生臭い話は、残念ながらフィクション」とした上で、食事の席では互いに自国の教会について教え合ったり、「和気あいあい」としていたことを明かした。

Edgar Beltrán, The Pillar - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=165193103による

海外一覧ページへ

海外の最新記事一覧

  • 聖コレクション リアル神ゲーあります。「聖書で、遊ぼう。」聖書コレクション
  • 求人/募集/招聘