【訃報】 米旧約聖書学者 ウォルター・ブルッゲマン氏が逝去 2025年6月5日

米国の著名な旧約聖書学者であったウォルター・ブルッゲマン氏が6月5日、ミシガン州の自宅で逝去した。92歳。同氏の公式サイトや米メディア「レリジョン・ニュース・サービス」(RNS)などが伝えた。死因は伝えられていない。
同サイトによると、ブルッゲマン氏は1933年、米国ネブラスカ州生まれ。福音改革派教会(米国キリスト合同教会の前身)の牧師アウグスト・ブルッゲマンとヒルダ・ホールマン・ブルッゲマンの息子であった。父同様、彼はドイツ敬虔主義の福音主義的伝統に根ざし、それが彼の神学的な拠り所であり続けたという。同氏はエルムハースト大学を卒業し、エデン神学校で神学士号、ニューヨーク州ユニオン神学校で神学博士号を取得。後にセントルイス大学で哲学博士号を取得した。
ウォルターは1990年に米国聖書文学会の会長に選出され、ニーバー神学フェローシップ、ヘンリー・ルース神学フェローシップ、エルムハースト大学からニーバー・メダルを授与され、八つの名誉博士号を授与されたほか、ネブラスカ海軍の提督とアーカンソー・トラベラーに任命された。
1958年、父によって兄のエドワードと共に、米国キリスト合同教会(UCCJ)で按手礼を受けた。1960年にメアリー・ボナー・ミラーと結婚し、ジェームズ・ボナーとジョン・フレデリックという2人の息子に恵まれた。2005年に離婚し、2011年にティア・エアハートと結婚した。
1961年、ウォルターは母校であるエデン神学校の教員となり、1986年まで在籍した。その間、14年間学部長を務めた。1986年にコロンビア神学校の教員となり、2003年に退職するまで、同校のウィリアム・マーセラス・マクフィッターズ旧約聖書教授を務めた。学問の世界では、教会の刷新と社会正義のために精力的に活動した。
追悼式は現地時間の7月19日、ミシガン州トラバースシティのセントラル・メソジスト教会で執り行われ、ライブストリーミング配信も行われるという。
日本語訳された同氏の主な著書に、『人を育むみことば 教育のモデルとしての旧約聖書』『現代聖書注解 サムエル記』(上・下)『詩編を祈る』『旧約聖書神学用語事典――響き合う信仰』『叫び声は神に届いた――旧約聖書の12人の祈り』『預言者の想像力 現実を突き破る嘆きと希望』『聖書は語りかける』(以上、日本キリスト教団出版局)、『平和とは何か――聖書と教会のヴィジョン』(教文館)がある。
(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)
写真=Sojourners