シリア正教会でテロ攻撃 20人が死亡 正教会総主教庁「断固として非難」 2025年7月1日

シリア治安当局筋によると、ダマスカスのドゥウェイラ地区にある預言者エリヤ教会で発生した自爆攻撃で、少なくとも20人が死亡、52人が負傷した。
ギリシャ正教アンティオキアおよび全東方正教会総主教庁は6月22日、フェイスブックで声明文を発表し、シリアの首都ダマスカスにある「預言者エリヤの聖なる教会」で起きた爆発は「凶悪な行為」だとして「断固として非難」し「最も断固とした方法で告発」すると表明した。
同総主教庁は声明文で、同日夕方の聖体礼儀の最中に「罪の矢が放たれ」、殉教者の魂と共に「私たちの魂も刈り取られ」たと記述。数人の信者が死亡し、負傷者が出たと説明しつつも、犠牲者の遺体の数は「いまだ正確な人数が把握できていない」という。
同教会の総主教庁は、関係当局に対し、教会の聖性と市民の保護について「全責任を負う」よう求めている。「アンティオキアおよび全東方総主教、ヨハネス10世聖下は、当初からこの事態の推移を自ら注視するとともに、国内外で発信を行い、ダマスカスの悲劇的な姿を国際社会に伝え、これらの虐殺を終わらせるための即時の動員を呼びかけています」
その上で同総主教庁は、「殉教者の魂の安息、負傷者の回復、そして教会の信者の慰めを祈ります。私たちは揺るぎない信仰を新たにし、あらゆる恐怖とテロを拒絶します。平和と慈悲の神である主イイスス・ハリストス(イエス・キリスト)に、この世の荒波を越え、私たちの救いの船を導いてくださるよう祈ります。主に永遠に栄光がありますように。アーメン」と、祈りの言葉を記して声明文を結んでいる。
東方正教会全地総主教のバルトロメオ1世は、今回のテロ攻撃に「深い悲しみ」を表明し、非難するメッセージを6月23日に公式サイトで発表。「いかなるテロ行為も、特に宗教施設に対するものは、民族、宗教、文化の平和的共存を阻害するもの」と指摘し、「慈悲深い神が、この攻撃の犠牲となった罪のない人々の魂に安息を与えてくださるよう祈り」、「負傷者の一日も早い回復を祈念」したことを明らかにした。
(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)