赦しと停戦を掲げ宗教者が結集 第3回東京平和円卓会議 2025年7月29日

 世界の宗教指導者らが「戦争を超え、和解へ」をテーマに集う「第3回東京平和円卓会議」が7月1~3日、都内で開催された。同会議は、世界宗教者平和会議(WCRP)国際委員会および日本委員会が、国連文明の同盟(UNAOC)と連携して主催。2022年に開催された第1回、2024年の第2回に続き、紛争当事国・地域の宗教指導者が一堂に会し、分断を乗り越え、人間の尊厳と共存を土台とした持続可能な平和の構築に向けて、具体的な道筋を示すことを目的に開かれたもの。15の国・地域から、仏教、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、神道など、各宗教を代表する指導者ら約120人(オンライン含む)が参加した。

 キリスト教からの参加は、エマニュエル・アダマキス(トルコ・カルケドン長老府主教)、チャールズ・ボー(ミャンマー・ヤンゴン大司教)、フランシス・クーリア・カゲマ(WCRP国際事務総長、WCRPアフリカ宗教指導者評議会事務総長)、ヴァクタン・キプシーズ(ロシア正教会 教会・社会・メディア関係シノドス副議長)=写真上、イホール・シャバン(ウクライナ・ギリシャ・カトリック教会、宗教間対話・エキュメニカル委員会委員長)、イェウストラティ・ゾリア(ウクライナ正教会 チェルニヒウ大司教、対外教会関係局副局長)=写真下=の各氏 。

イェウストラティ・ゾリア氏(ウクライナ正教会 チェルニヒウ大司教、提供=WCRP日本委員会)

円卓会議の様子(提供=WCRP日本委員会)

 会議では特に、戦争と内乱が続くウクライナ、ガザ地区、ミャンマーを念頭に、赦しの精神と即時停戦の必要性が強調された。また、ロシアとウクライナ両国の正教会指導者による対話も実現し、すべての紛争地域における「即時かつ無条件の停戦」が共同で呼びかけられた。

 国会内で行われた特別セッションでは、WCRP国際活動支援議員懇談会共同代表の岡田克也氏(立憲民主党)ら国会議員との意見交換も実施し、人道支援における政治指導者との連携について議論した。

 採択された声明は、「すべてのいのちは尊い」との原則を確認した上で、「紛争によって分断された社会の絆を修復し、信頼の再構築に取り組む橋渡し役」「平和の担い手」としての役割を強調。「平和な世界を築くための行動は、未来を見据え、子どもたちをその中心に据えたものでなければならない」とし、「祈りと直接的な行動を通じて信仰を超えて団結し、命の尊さ、人間の尊厳、そして聖なる繁栄の分かち合いを根底においた平和の文化を築くために尽力する」との決意を明示し、諸宗教による平和のビジョン「東京平和プロセス」を推進するための共同行動を呼び掛けた。さらに、若者の育成を目的とした「諸宗教青年平和交流プログラム」を立ち上げ、次世代による平和構築の担い手づくりへの展望も示した。

 今回、イスラエルとパレスチナからの参加予定者は、中東情勢の悪化により欠席となったが、年内に改めて対話の場を設け、「東京平和プロセス」における和解の取り組みを継続する予定だという。

東京プリンスホテルでの開会式(提供=WCRP日本委員会)

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