日本YWCAが戦後80年で声明 歴史修正や多様性排除に懸念 2025年8月15日

 日本YWCA(樋口さやか会長、山本知恵総幹事)は8月8日、「敗戦80年の節目にあたって」と題する声明を発表した。

 声明は、戦争体験者の高齢化で実相の継承が困難となる中、日本の植民地主義や侵略の歴史を否定し、マイノリティーや多様性を排除する風潮が広がっていると指摘。戦前・戦中に自らも過ちを犯した教訓から、再び同じ過ちを繰り返さぬよう世界のYWCAや仲間と活動を続けてきたと振り返り、世界の現状は、「武力や核による恐怖から解放され、家父長制に基づく支配構造など様々な権力に虐げられることなく、地球に生きる一人ひとりが自分のありたいように生きることが大切にされる社会」には程遠いとした上で、戦争体験者が語り継いだ思いを受け継ぎ、諦めることなく「世界中の一人ひとりの人権が尊重される社会の実現のために、世界各国の団体や人々と協働し、行動していきたい」との決意を示した。

 声明の全文は以下の通り。


敗戦80年の節目にあたって

 第二次世界大戦の敗戦から80年。戦争体験者が高齢化し、減少する中で、戦争の実相を継承することが困難な時代を迎えています。また、日本が近代化以降、植民地主義に基づき、周辺諸国・地域への侵略をした歴史を否定するような考えに賛同する人も増え、マイノリティーや多様な存在を排除する考えが広く支持されるようになってきました。

 日本YWCAは、戦前・戦中にYWCA自身が行った過ちを踏まえ、同じまちがいを繰り返さないために、世界各国のYWCAや仲間たちと協働し、敗戦から現在まで活動してきました。

 今、わたしたちが生きる世界は、日本YWCAが目指す、武力や核による恐怖から解放され、家父長制に基づく支配構造など様々な権力に虐げられることなく、地球に生きる一人ひとりが自分のありたいように生きることが大切にされる社会からは、遠くかけ離れた状況にあります。

 この80年、わたしたちは、トラウマや痛みを感じながらも、次の世代にこのような辛い体験をさせたくないと、平和な世界の実現のためにと、日本が歩んできた過ちや戦争被害の実相を語ってくださった多くの戦争体験者の方々を目の当たりにしてきました。わたしたちは、その多くの方々の思いを受け止め、これからも諦めることなく、世界中の一人ひとりの人権が尊重される社会の実現のために、世界各国の団体や人々と協働し、行動していきたいと思います。

2025年8月8日

日本YWCA 会長 樋口さやか
総幹事 山本知恵

社会・教育一覧ページへ

社会・教育の最新記事一覧

  • HungerZero logo

    HungerZero logo
  • 聖コレクション リアル神ゲーあります。「聖書で、遊ぼう。」聖書コレクション
  • 求人/募集/招聘