WCCが全地総主教バルトロメオ1世に賛同 「被造物の季節」にあわせ 2025年9月3日

世界教会協議会(WCC)は9月1日、全地総主教バルトロメオ1世に賛同し、「自然環境のための祈りの日」のメッセージを公式サイトで発表した。バルトロメオ1世は、「エコロジカルな悔い改め」と地球規模の気候変動対策への緊急の訴えを発表。この日は、「被造物の季節」の始まりでもあり、すべてのキリスト教徒が霊的刷新とともに環境保護を訴えるために結集する日であるという。
正教会の教会暦が始まるにあたり、バルトロメオ総主教は、環境破壊と地球規模の暴力が共に地球上の生命を脅かしていると警告。「今日、これらすべてに加えて、戦争の叫び、爆撃、ミサイル、爆発の狂騒が加わり、容赦ない暴力の犠牲となった罪なき人々の叫びと、被造物のうめき声はかき消されてしまう」とバルトロメオ総主教は述べ、こう断言した。「地球上の生命の未来は、環境に優しく平和なものになるか、あるいは存在しなくなるかのどちらかだ」
バルトロメオ総主教は、正教会を「環境に優しいキリスト教の形態」と表現した。正教会の共同体は、環境破壊に対する単なる反省にとどまらず、むしろ「被造世界に対する考え方と行動の根本的な変化」が必要だとバルトロメオ総主教は主張した。
総主教は、世界中の正教会の地方教会(大主教区)、小教区、修道院に対し、行動を起こすよう呼びかけた。「信者を動員するための協調的な行動と具体的な介入策を展開し、特に若い世代への教育に重点を置かなければならない」
バルトロメオ総主教にとって、環境活動は正教会のアイデンティティを定義するものであるという。「私たちの信仰の生態学的影響を実践に適用することは、正教会のアイデンティティを決定づける一面です」と彼は記した。
毎年、9月1日から10月4日(アッシジの聖フランシスコの祝日)まで、プロテスタント、カトリック、正教会のキリスト教徒が「被造物の季節」と呼ばれるこの時期に集う。世界中の22億人のキリスト教徒は、被造物の保護のために祈り、行動を起こす。今年のテーマは、世界中の信仰共同体が深刻化する気候変動の影響と環境破壊に直面する中、被造物への希望と癒やしに焦点を当てている。
WCCはオンライン祈祷会でこの季節の幕開けを飾り、世界中の正教会とキリスト教徒が自然環境のために祈りを捧げたと記した。この祈祷会では、悔い改め、再生、そして被造物の保護への献身が強調された。
10月を通して、教会は気候変動、生物多様性の喪失、そして環境正義について教え、礼拝し、提唱していく。WCCは、すべてのキリスト教共同体が祈り、実践的な行動、そして提唱活動を通して参加することを奨励している。この活動は、環境破壊の影響を受ける最も脆弱な人々を守ることに重点を置いている。
(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)
写真=Albin Hillert/WCC