【地方からの挑戦~コレカラの信徒への手紙】 ゲーム100連発 村田光希 2025年9月1日

 北海道の帯広市(人口約17万人)で牧会を始めて5年になりました。礼拝には毎週100名ほど、教会学校には子どもたちが40名ほど集う教会で、地方教会としては、比較的大きな教会だと思います。現在は子どもが多いのが一つの特徴です。しかし、他の地方都市と同じく、帯広も大学進学でほとんどの子どもが、いずれ都市部に出て行き、戻ってこない傾向がありますから、今与えられている機会を大切にしたいところです。

 さて、「地方での可能性や新たに挑戦していること」などの依頼内容に沿って、働きを思い起こしたいと思います。

 教会の皆さんは、いろいろな働きに挑戦しています。毎年、地域に開かれたお祭りを企画したり、子どもたちの大規模なイベントも、イースターやクリスマスなど、機会があるごとに新企画に挑戦します。英会話、手話、音楽教室、それ以外にも、それぞれの世代に合わせた多くの窓口があり、それぞれに熱心に仕えるスタッフがいます。

 そんな中、個人的には、新たな挑戦というには大げさですが、ここ数年、一晩でゲームを100個する挑戦をしています(笑)。題して「ゲーム100連発」。みんなで集まって、なんでもいいので、とにかくゲームを100個やれば終わりです。たいてい夜7時くらいに始めて、次の日の朝7時くらいに終わります。真面目に連載を読み続けてくださっている方には、バカみたいな企画だと怒られそうですが、バカみたいなことを一緒にするというのが、ポイントです。

 集まるのは20〜30代の青年たち。親に許可が取れれば、10代の子どもたちも加わります。個人的には、その世代に重荷があります。次の時代を担っていく世代です。しかし、その世代がなかなか教会に留まらない現状が日本の教会にはあるでしょう。

 この企画には神学的な意味合いはありません。真面目な目的も、思惑もありません。面白そうだからやってみただけです。先日の開催で5回目でしたが、毎回10〜20人ほどの青年が集まります。しかし、やってみて分かったことは、結構仲良くなるということです。

 だいたい夜中の2時くらいに、一度体力的に限界が来ます。時には空気がギスギスし始めることもあります。そして、疲れ切って、少し変なアドレナリンも出て、みんなで朝を迎え、変な達成感を味わって解散します。そして再び顔を合わせた時には、確実に今までより関係が深まった実感、仲間としての意識が芽生えている感覚があるのです。この企画、一体誰かの参考になるでしょうか? 書き続けます(笑)。

 真面目な目的なくして始まったと書きましたが、やってみて、正直今は意義深さを感じています。それは集まる一人ひとりが何かの目的のために集まっているのではないと受け取ることです。目的のための関係性じゃないと感じることです。やらなくてもいいようなことのために、一緒に時間を過ごすということの裏側には、ただ一緒にいることを楽しみたいという隠れたメッセージがあります。奉仕のため、働きのために、あなたが必要なのではなく、あなたと一緒にいることが嬉しいから、ここにいてほしいという空気感があります。そして、その空気が満ちているところにこそ、私たちの居場所が生まれるのではないでしょうか。居場所としての教会というのは現代的ニーズでありテーマかもしれません。

 むらた・こうき ハーベスト聖書塾、北海道聖書学院、Christ For The Nations Institute Worship Major 卒業。現在、帯広栄光キリスト教会にて牧会。ピアノ、ドラム講師、ラッパー牧師LIGHT HOPEとしても活動中。

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