【訃報】 ヴォディー・ボーカムさん(米福音派牧師) 2025年9月25日

米国の高名な黒人福音派牧師ヴォディー・ボーカム氏が9月25日に死去した。同氏が携わっていたキリスト教機関「ファウンダーズ・ミニストリーズ」の公式サイトが発表した。「緊急の医療事態」によるという。56歳だった。
1969年ロサンゼルス出身のボーカム氏はヒューストン・バプテスト大学、サウスウェスタン・バプテスト神学校、サウスイースタン・バプテスト神学校などで学び、テキサス州を中心に牧師・伝道師としてキャリアを送ってきた。厳格なカルヴァン主義を奉じる保守的な黒人神学者であり、その社会理念も一貫して保守的だった。
リベラル派が主導する人種正義運動、ブラック・ライヴス・マター(BLM)や批判的人種理論にも懐疑的な姿勢を貫き通した。人種という外的なアイデンティティにこだわるこれらの運動は、聖書が重視する霊的・内的なアイデンティティの刷新という目標から逸脱しているとし、世俗的な「社会正義」に対する「聖書的正義」の優越を主張した。
白人指導者が支配的な米国福音派界の中でボーカム氏は異彩を放ち、白人福音派からも絶大な尊敬を集めていた。南部バプテスト派の神学者オーウェン・ストラハーンは同氏の死去を受け、自身のSNSで「言葉がありません。我々は戦士を失いました」と綴った。
(木村 智)
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