【地方からの挑戦~コレカラの信徒への手紙】 違いを認め合う現代だからこそ 富山希望 2025年10月1日

地方の教会にいると、他教会を知ることやその地域の教会との連携が重要だなと思うことがたびたびあります。互いに知り合い、互いに交わりを持ち、祈り合う関係性が重要だと思います。
教会が対外的な活動として関わるものの中に、「超教派の集会」があります。教派的な特色の似た教会と関わりを持つこともあれば、まったく別の事柄を重要視している教派の方々との出会いや交わりの機会もあります。コロナ禍以後、それらの集会活動は停滞しましたが、徐々に活動が復活しつつあります。似たような教派的な特色を持つ方々と交わりを持つのは自然なことですが、背景が違う方々との交わりは、同じキリスト信仰を持っていたとしても、なかなか考えさせられることもあります。自分以外のものと出会う経験は、貴重なものだと思います。
私の属する「北九州復興教会」は、「日本基督教団」と「ホーリネスの群」というグループに属しています。「日本基督教団」は、さまざまな教派的特色を持つ諸教会が集まってできた「教団」です。なので、各個教会の特色のみを見てみると、さまざまに違いがあって面白いなと感じさせられます。自分にはなかった視点のアイディアをもらうということは、勉強になるなと思うこともたびたびあります。
さまざまな方々と関わると面白いことがあります。同じ週の中で「ペンテコステ派」の特色のある方々との祈り会を行い、また「社会奉仕」を重んじる方々が主催する集会に参加し、オンラインで「ホーリネス派」の教師たちとの祈り会をします。一つの教団の教師会の中に、さまざまな背景を持つ人たちが集合し、教会の課題を分かち合います。

UnsplashのHannah Busingが撮影した写真
私が生まれ育った教会では「み言葉」と「祈り」が重要とされてきました。信仰を持った一人の人が、キリスト者として神様との関係性の中で人格的に、霊的に成長していくことを重んじる教派だと私は思っています。しかし、同じ教団の中にはさまざまな方々がいます。
例えば、「教会形成」と「信条」を重んじる教会もあります。「社会奉仕」と「愛の業」を重要とする教会もあります。「聖霊の働き」を重要とする教会もあります。私の育った教会は「個人の信仰」が重要でした。しかし、「共同体的な信仰」「共に働く信仰」を重要とする教会もあります。
ひと口に「教会」といえど、異なる背景を持っており、勉強しなければいけないことがいろいろあるな、と考えさせられます。その中で自分の育った背景、自分の大事に思うものを大切にし、自分の根幹となる部分を深め、握りしめながら、隣人と他教会との関係性の中に生きていくことが「多様性の時代に生きる教会」と言えるのではないかと思います。
日本という異教社会の中で、さらに地方で、少数である「キリスト教会」だからこそ、祈り合って手を取り合うことを考えさせられます。
とみやま・のぞみ 1989年埼玉生まれ。牧師家庭に生まれ育ち、小学生の時、単立・川口キリスト教会にて受洗。神学校卒業後、2年の伝道師期間の後、日本基督教団紀伊長島教会(三重)を経て、北九州復興教会曽根集会所(福岡)で牧会に従事。大好きな家族は、ウェルッシュ・コーギーのネタロー。