【信教の自由を守る日】 「つづく戦争」原発と農村の風景に問う 植民地主義・核・食料政策の歴史を検証 2026年2月11日

 靖国神社国家管理反対宮城県連絡会議は2月11日、第52回目となる「信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会」をフォレスト仙台(仙台市青葉区)で開催し、歴史社会学を研究する山内明美氏(宮城教育大学准教授)が「つづく戦争――田んぼと原発」と題して講演した。

 同氏は講演の冒頭、戦後80年を迎えても戦争の影響は終わっていないと指摘。原発が農村や地方に集中する現状を取り上げ、「核の平和利用」という言葉のもとに進められてきた政策は、戦争と地続きの歴史の中で理解されるべきだと述べた。原発のある風景は、戦争の後遺症が形を変えて続いている証しであり、反戦・反核を掲げるならば、その歴史的連続性を直視する必要があると強調。

 また、戦前の植民地支配の影響は現在の社会構造にも残っているとし、在日コリアンへの差別や朝鮮学校をめぐる問題に言及。戦後を単なる「終戦後」として区切るのではなく、戦争の影響が続く時代として捉える必要性を訴えた。歴史教育や社会の認識が不十分なままでは、差別や排外主義が再生産される危険があると警鐘を鳴らした。

 自身の研究テーマである「ライス・ナショナリズム」については、1918年の米騒動や植民地での米増産政策、戦後の東北地方の穀倉地帯化を例に挙げて解説。日本が植民地を失った後、国内農村が食料供給地として再編された過程と、原発立地が重なる歴史的背景を分析した。農村の風景に原発が並ぶ現実は、食料政策とエネルギー政策が国家の統治戦略の中で結びついてきた結果だと述べた。

 自身の体験や米騒動の記憶にも触れ、食料生産の現場と国家政策の関係を身近な事例で紹介した山内氏。戦争、植民地主義、エネルギー政策、食料生産の歴史が相互に結びついているとし、「原発事故後に見えてきたのは、品種改良や遺伝子組み換えなど、進んだ技術の実験地として東北地方が利用されてきたという側面」と結んだ。

 会場には反戦・反核を主題とした版画作品や、コンゴのウラン鉱山と原爆の関係を扱うアーティスト、ロジャー・ピート氏の作品、花岡事件を題材にした「リメンバーリング花岡」などが展示され、来場者に歴史と平和の課題を提示した。朝鮮学校の子どもたちとアーティストの協働によるトートバッグも紹介され、記憶の継承と表現活動の重要性が強調された。

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