【信教の自由を守る日】 改革派西部中会で大宮氏 教会の責任とキリスト教シオニズムを検証 2026年2月11日

日本キリスト改革派西部中会・世と教会に関する委員会主催の講演会「教会がパレスチナに正義と平和を造るために――キリスト教シオニズムの理解と処方箋」が2月11日、日本キリスト改革派神港教会(神戸市灘区)で開かれ、関西学院大学宗教主事の大宮有博氏が講演した。
大宮氏は冒頭、土地は神のものであり人間が独占すべきではないという「相続地(始業地)」の思想を説明し、聖書が貧困のない共同体を志向していることを強調。旧約から使徒言行録に至るまで「分かち合い」の倫理が一貫していると述べた。
昨年出版した自著『キリスト教シオニズムとは何か』(日本キリスト教団出版局)を踏まえ、キリスト教シオニズムについて2点を指摘。第一に、一部の福音派の特殊思想ではなく、長い歴史の中でキリスト教の聖書解釈や宣教観に染み込んできた思考枠組みであること。第二に、イスラエルの軍事行動が国際的批判を受けながらも継続できている背景には、世界のキリスト教界の沈黙や支持があるとし、「キリスト者の悔い改めと方向転換があれば、暴力の連鎖を止める可能性はある」と訴えた。
また、ユダヤ人社会は一枚岩ではなく、シオニズムとユダヤ人を同一視することの危険性を指摘。イスラエル政権を支持するキリスト教シオニストは世界で約5千万人とされ、その影響力の大きさを説明した。日本でも戦後からイスラエル支持のキリスト教団体が存在し、近年は海外の運動の影響を受けた発信や政治的連帯が強まっていると述べた。
講演は、教会が国家権力を監視する使命を持つこと、同時に教会自身が暴力を正当化する構造に加担していないかを検証する必要があると強調して締めくくられた。大宮氏は「キリスト教シオニズムの問題は私たち自身の内面を点検する課題」と呼び掛け、教会が正義と平和の担い手として行動することを求めた。














