米カトリック司教らの人種差別批判と女性問題への沈黙に疑問 2026年2月14日

 米国のカトリック司教らが人種差別に対して強く声を上げる一方、女性への軽視や蔑視に対する教会の沈黙を問い直す論考が「レリジョン・ニュース・サービス」(RNS)で発表された。寄稿者のフィリス・ザガノ氏は、政治と文化の現場で続く女性差別に対し、教会指導者が同様の道徳的明確さを示しているか疑問を投げかけている。

 発端となったのは、トランプ大統領がSNS上に投稿したオバマ前大統領夫妻を猿に見立てる動画。シカゴのブレイズ・クピッチ枢機卿やデトロイトのエドワード・ワイゼンバーガー大司教は即座に非難し、超党派の政治家らの批判にも加わった。投稿は約12時間後に削除されたが、移民取り締まりでの人種的プロファイリングや出生奨励発言などと相まって、政権内に人種差別的傾向が広がっているとの印象を強めたと指摘されている。

 一方でザガノ氏は、女性に対する敬意の欠如にも目を向ける。トランプ氏は2016年の「アクセス・ハリウッド」テープで女性蔑視的発言を行い、後に謝罪したものの、その後も問題発言が続いていると批判。また、保守団体「ターニング・ポイントUSA」が関与したスーパーボウルLXのハーフタイムショー出演者選定をめぐっても、女性を性的対象として扱う文化の問題が浮き彫りになったとする。出演者の一人であるキッド・ロック氏の楽曲内容や、別の出演者バッド・バニー氏のパフォーマンスに見られる女性の扱いが議論を呼んだ。

 米カトリック司教団は移民問題や貧困に関して積極的に発言してきたが、女性を守るための明確な声は聞こえてくるだろうか、とザガノ氏は問いかける。背景には、「女性はキリストの似姿ではない」とする誤解が一部に残っている可能性を指摘し、三位一体論や復活信仰に基づけばキリストはすべての人の中に現存し、女性も例外ではないと論じる。

 さらに、多くの聖職者が男性中心の聖職制度に閉じこもり、女性を管理職としては受け入れても聖職への道を閉ざしている現状が、長年の不満の根源であると分析。黒人や移民、貧しい人々を守るために立ち上がる司教たちが、福音に基づいて女性の完全な人間性の尊重にも取り組むよう期待を表明して論考を結んでいる。

(翻訳協力=中山信之)

UnsplashShalone Casonが撮影した写真

海外一覧ページへ

海外の最新記事一覧

  • 聖コレクション リアル神ゲーあります。「聖書で、遊ぼう。」聖書コレクション
  • 求人/募集/招聘