教会の現実直視し「アップデート」を 神戸バイブル・ハウス主催でセミナー 2026年2月21日

神戸バイブル・ハウス(神田健次理事長)主催の「教会を元気にするセミナー」が1月24日、同会場(神戸市中央区)で行われ、「キリスト新聞」編集長の松谷信司氏が「今からでも遅くない――目からウロコの教会アップデート術」と題して講演した。カトリック、福音派を含むさまざまな教派から約80人が集った。
神戸バイブル・ハウスは、教派を超えた教会・団体の協力によって運営されるエキュメニカルな拠点として、聖書の普及と市民へのキリスト教文化の発信を目的に活動している。阪神・淡路大震災後の教会間協力を背景に、2003年に再建・開館され、講演会や聖書セミナー、展覧会、コンサートなど多様な文化・教育事業を展開してきた。
セミナーの冒頭には、神戸バイブル・ハウスの理事でもある前田万葉枢機卿が登壇=写真。日本から参加したコンクラーベ(教皇選挙)で、後に教皇レオ14世となるロバート・プレヴォスト枢機卿が、食事の際に優しく声をかけてくれたという逸話を紹介した。
松谷氏は続く講演で、教会を「元気にする」ためには現状の厳しさを直視する必要があるとし、相次ぐキリスト教施設の売却や専門書店の閉店、大学の学生募集停止、修道会の閉鎖、出版事業の縮小など、教界を取り巻く環境の急速な変化を挙げ、「教派を超えて共通の危機に直面している」と指摘した。
また、「人が来ない」と嘆く以前の問題として、そもそも教会が知られていないという現実に触れ、教会の発信が外部に届いておらず、宗教に対する警戒感から「入ってはいけない場所」と誤解されたままの現状を示唆。日本社会では牧師や神父の生活実態すら知られていないことから、「少しの情報提供でも関心を持つ層は少なくない」と語った。
さらに、信徒数のみを基準に教会をはかる時代は終わりつつあるとし、教会に所属しないが信仰を持つ人や、過去に教会を離れた人、オンライン上の礼拝には熱心に参加している人など「見えない信仰者」に目を向ける必要性を指摘。「信じるつもりはないが知りたい」という関心層も広大に存在するとして、従来の枠を超えた視野を持つ重要性を強調した。
現状分析に続いてさまざまな教会の実例を紹介し、日常的に実践できる小さなアップデートの積み重ねが教会の活力につながると提起。「変化を恐れず、教会が持つ本来の魅力や働きを社会に開いていくことが求められている」と呼び掛けた。














