【「親なきあと」をともに生きる~お寺と教会の〈語らい〉から始まる支援】 なぜ「教会」は必要か――求められる宗教間協力 井上從昭 2026年2月21日

2025年12月24日、私たち妙行寺の職員はカトリック谷山教会の「主の誕生(夜半のミサ)」に参列しました。途中、神父さまが「今日は妙行寺の皆さまがご参加してくださっています」とご紹介くださると、私の隣に座っていた方々が深々と頭を下げてくださいました。周りの信者の方々もにこやかに微笑んでくださっていて、私たちもあたたかい気持ちになりました。
帰りの出口のところでは、信者の方々と「来年もまたご一緒に」と言葉を交わしながらお別れしました。数日後の大みそかには、今度は教会の信者の方々が妙行寺の「体験する除夜の鐘 百八の音巡り」にご参加され、笑顔で108の鐘を撞いていかれました。
実は私たちが「主の誕生(夜半のミサ)」に参加するのは、今回が初めてではありません。こうして相互に交流をしているのは、理由があるのです。
25年4月に、半年間の準備期間を経て、カトリック谷山教会と柏原神社と妙行寺で、同じ谷山地区にあるというご縁を大切にしたいという願いをもって、「谷山宗教連盟」を結成しました。この連盟は「鹿児島市(谷山地区)の永続的な発展を願い、連携することで地域コミュニティとしての機能をさらに充実させながら公共の福祉を支援する」ことを目的としており、現在は五つの団体が参加しています。
災害時における支援のための事前準備、防災の啓蒙活動、災害弱者の支援活動などの事業を、全国各地で災害が多発している現状に対応するために一つの柱としていますが、お互いの宗教文化を尊重し積極的な交流を図ることや、人と人がつながり支え合うための活動を進めていくことも目的としています。
ミサの際には、信者の方々から「今日は来てくださってありがとうございます」というお言葉をいただきました。他にもいろいろな機会で、教会の信者の方々や神社の氏子の方々、また寺の門徒の方々にも、私たちがこのような交流を図って、地域のために一緒に活動をしようとしていることを伝えると、「うれしいです」「違いを認め合って交流できるのは大切ですね」という言葉や、「地域の安心がさらに深まりますね、ありがたいです」「宗教施設が私たちのために連携してくださることはとても心強いです」という期待の言葉もいただきます。

障害のある当事者を招いて講演会を開くことも=鹿児島市の妙行寺
この期待の言葉には、私たちが求められていることが明らかにされているのではないかと思います。地域の方々にとっては「教会」「神社」「寺院」とそれぞれ教えは異なってはいても、心の拠り所となり、安心のための場であることは同じなのではないかと思います。
妙行寺では、2021年12月に一般財団法人お寺と教会の親なきあと相談室の第1号の支部「お寺と教会の親なきあと相談室 妙行寺鹿児島市支部」を立ち上げました。今日まで「語り合い」「つながり合い」の活動を継続してきましたが、活動の場があるということで障害のある当事者やご家族、そして支援者も集いつながり合う場になっています。
そして集う方々は「地域にこんな場があることがありがたいし、もっと多くの人に知ってもらいたいし、もっとつながりたい」と言われます。「地域にこんな場」があることを求められているのですから、寺院と同様に教会もぜひとも「地域のこんな場」になっていただきたいと思います。
地域に開かれた寺院になる、地域の方々から信頼され頼られる寺院になる、ということが私たちの目標ですが、ぜひとも地域に開かれた教会となっていただくことで、共に頼られる場として歩みを共にしてまいりましょう。この活動に一緒に取り組んでいただけたら、私たちもとても心強いと思っています。
いのうえ・よりあき 浄土真宗本願寺派妙行寺住職。お寺と教会の親なきあと相談室妙行寺鹿児島市支部長。寺院をハブとして地域のつながりづくりに取り組んでいる。
*問い合わせは同相談室(https://otera-oyanaki.com/)まで。














