日本聖公会東北教区 震災15年で祈りと証言を共有 2026年3月17日

東日本大震災から15年となった3月11日、日本聖公会東北教区(長谷川清純主教)は主教座聖堂・仙台基督教会(仙台市青葉区)を会場に「東日本大震災15周年記念の祈り」をささげ、続いて講演会を開催した。礼拝と講演は教区のYouTubeチャンネルでも配信され、各地から祈りが合わせられた。主催は同教区東日本大震災被災者支援プロジェクト。
礼拝では、北海道教区主教の笹森田鶴(たづ)氏が説教。震災の記憶を抱えながら生きる人々に思いを寄せ、被災による喪失や悲しみは今も続いているとしながら「今日は泣いても、嘆いても、怒ってもよい日」と呼びかけ、言葉にできない痛みや不条理への怒りを神の前に差し出すことの大切さを語った。さらに、原発事故の影響や社会の責任にも言及しつつ、犠牲者を覚え、支え合ってきた人々に感謝し、平和と癒やしを祈り続けるよう促した。
礼拝では、震災で命を落とした人々を覚えて黙祷がささげられたほか、被災地で今なお困難の中にある人々、原発事故の影響を受け続ける地域のためにも祈りがささげられた。聖歌と祈りが静かに響く中、参列者は震災の記憶を風化させない決意を新たにした。
続く講演会では、宮城県石巻市北上町十三浜で漁業に携わってきた佐藤清吾氏(元宮城県漁業協同組合北上町十三浜支所所長)が「津波のあとの十三浜に住み続ける」と題して講演。
佐藤氏は津波によって集落が壊滅的な被害を受けた当時の状況を振り返りながら、地域の人々がどのように生活と漁業を再建してきたかを紹介した上で、高台移転やコミュニティの再生、漁場の回復などの取り組みを語り、「浜に住み続けること自体が地域を守ることにつながる」と強調した。
また、女川原発の再稼働差し止め訴訟に関わってきた立場から、震災と原発事故の経験を踏まえた地域社会の課題にも言及。自然と共に生きる沿岸の暮らしを次の世代に引き継ぐことの重要性を訴えた。
東北教区では震災直後から被災者支援プロジェクトを立ち上げ、教会やボランティアを通じた支援活動を続けてきた。震災から15年を迎えたこの日の祈りは、被災地の歩みを振り返るとともに、これからも共に歩み続ける決意を新たにする機会となった。














