東京高裁 旧統一協会に解散命令 日基教団カルト問題連絡会が支持「必要でやむを得ない」 2026年3月21日

3月4日に東京高等裁判所が世界平和統一家庭連合(旧統一協会)に対して宗教法人の解散を命じる決定を行ったことを受けて、日本基督教団カルト問題連絡会は6日、「旧統一協会に対する宗教法人解散命令についての声明」を発出した。
同連絡会は、1986年に「統一原理問題連絡会(2018年に「カルト問題連絡会」に改称)」が組織されて以来、約40年にわたり、旧統一協会による被害に対する実態に基づいて対策および注意喚起を行ってきた。
声明は、東京高裁による決定を妥当とみなし、宗教法人解散命令を支持するとともに、献金被害者への弁済などの清算手続きが進められることを望んだ。また、引き続き、旧統一協会による活動を注視しつつ、被害に対して真摯に対応するとした一方で、宗教法人法が濫用され、「何を信じているか」という理由だけで、政府によって解散命令が下されることがあってはならないと述べ、今後も宗教法人法の適切な運用がなされるように動向を見守っていくとした。
さらに、「旧統一教会の信者・元信者・身内であるという理由だけで、不当な差別が行われ、かえって被害者の救済が遠のくことのないように、この問題についての理解が広がるよう努力を続けてまいります」と表明した。
全文は以下の通り。
旧統一協会に対する宗教法人解散命令についての声明
2026年3月4日、東京高等裁判所は、世界平和統一家庭連合(旧統一協会)に対し、宗教法人の解散を命じる決定をしました。
東京高裁は、旧統一協会について「①旧統一教会であることを秘し、「先祖の因縁」などと害悪を告知して対象者の不安をあおるなど、対象者の自由な意思を制限し、適切な判断をすることが困難な状態に陥らせた上で、献金等を勧誘したり、②対象者やその親族の生活の維持に支障が生じることになるような過大な献金等を勧誘したりするなどの不法行為を行った」とし、それは2009年に旧統一協会による「コンプライアンス宣言」以降も、現在にいたるまで「不法行為に該当する献金の勧誘を継続して行っていたものと認めるのが相当である」と、事実認定をしています。
そして、旧統一協会によるこれらの行為は、「宗教法人法81条1項1号(法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと)に該当する事由があると認められる」とし、東京高裁は「旧統一教会(原文ママ)の解散を命ずることが必要でやむを得ないといわざるを得ない」とし、宗教法人解散の命令に踏み切りました。
日本基督教団カルト問題連絡会は、1986年に「統一原理問題連絡会(2018年に「カルト問題連絡会」に改称)」が組織されて以来、約40年間にわたり、旧統一協会による被害に対する実態に基づき、一貫して対策および注意喚起を行い続けてまいりました。よって、今般の東京高裁による決定を妥当であるとみなし、宗教法人解散命令を支持すると共に、献金被害者への弁済などの清算手続きが進められることを望みます。
旧統一協会は、宗教法人解散命令を受けましたが、日本国憲法第20条に示された「信教の自由」により、今後も宗教団体としての活動が保障されます。引き続き、旧統一協会による活動を注視しつつ、被害に対して真摯に対応してまいります。
なお、今回の宗教法人解散命令は、教団組織が「何を信じているか」ではなく「どのような手段を用い、どのような人権侵害や不法行為を行ってきたか」を理由に下されたものです。しかし、宗教法人法が濫用され、「何を信じているか」という理由だけで、政府によって解散命令が下されることがあってはなりません。今後も、宗教法人法の適切な運用がなされるように動向を見守ってまいります。
また、旧統一協会の信者・元信者・身内であるという理由だけで、不当な差別が行われ、かえって被害者の救済が遠のくことのないように、この問題についての理解が広がるよう努力を続けてまいります。
解散命令を受けてのコメント 同連絡会世話人 柳本伸良氏
2026年3月4日、東京高等裁判所は、旧統一協会に対する解散命令請求について、解散を命じた東京地方裁判所の決定を支持し、教団の即時抗告を棄却しました。これを受けて3月6日に、日本基督教団カルト問題連絡会から『旧統一協会に対する宗教法人解散命令についての声明』が発表され、「旧統一教会(原文ママ)の解散を命ずることが必要でやむを得ないといわざるを得ない」とした高裁の決定を支持しました。
こちらの声明にも書いてあるとおり、旧統一協会は、宗教法人の解散後も、日本国憲法第20条に示された「信教の自由」により、宗教団体としての活動が保障され、礼拝などの宗教活動を禁じられるわけではありません。宗教法人として免除されていた税制の優遇措置などを受けられなくなり、清算手続きによって、被害者への弁済が進められていく流れとなります。
今後も、「宗教法人の解散命令は信教の自由の侵害だ」という主張が強く出続けると思いますが、今回の解散命令は、教団組織が「何を信じているか」ではなく「どのような手段を用い、どのような人権侵害や不法行為を行ってきたか」を理由に下されたものです。
信教の自由は「信じる自由」と「信じない自由」の両方が守られて成立するものですが、対象者の不安や恐怖をあおって自由な意思を制限し、適切な判断をすることが困難な状態に陥らせた上で、入信や献金を行わせる団体を放置することこそ、信教の自由の侵害と言えます。
声明では、この点を踏まえつつ、宗教法人法が濫用され、「何を信じているか」という理由だけで、政府によって解散命令が下されることのないように、今後も宗教法人法の適切な運用がなされるように、動向を見守っていくことが述べられています。
また、旧統一協会の信者・元信者・身内であるという理由だけで、不当な差別が行われ、かえって被害者の救済が遠のくことのないように、この問題についての理解が広がるよう努力を続けていくことも述べられています。
同時に、声明を出した私たち日本基督教団をはじめとする伝統宗教団体も、「信教の自由」を盾にした強引な伝道を行ってないか? 献金の強要や奉仕の押し付けを行ってないか? 正体や目的を隠した勧誘を行ってないか? 自分たちもチェックし続け、健全な運営をしていくことが、より一層求められています。
なお、牧師・僧侶・元脱会者・弁護士・社会福祉士・公認心理士・記者・研究者など、長年カルト問題の救出支援に携わってきた者の間では、解散命令が出て終わりではなく、今後、清算手続きが進められていく中で、被害者への弁済が誠実に行われるかどうかが注視されています。
加えて、旧統一協会およびその関連団体と国会・地方議会の政治家との癒着関係について、また、それが政治にどのような影響を与えてきたかについて、詳しく解明され、同様の事件が繰り返されないよう、再発防止に活かされることを強く望んでいます。
教会関係者の方々も、引き続き、被害者の回復と被害防止のために祈りを合わせていただけると嬉しいです。(やなぎもと・のぶよし)
撮影=山名敏郎














