女性初のカンタベリー大主教就任 分裂下の聖公会に一致へ課題も 2026年3月26日

 英国国教会は3月25日、カンタベリー大聖堂において、第106代カンタベリー大主教にサラ・ムラリー氏が就任した。約1400年の歴史で初の女性大主教となる。

 就任式には王室や政府関係者、世界各地の聖公会関係者ら約2千人が参列。聖アウグスティヌスの座への着座をもって、英国国教会および世界聖公会における公的務めの開始が示された。

 ムラリーは初の説教で、教会を「国と世界のための教会」と位置づけ、福音に根ざした癒やしと希望の証しを強調。同時に、教会の虐待問題にも言及し、被害者への責任と信頼回復への取り組みを訴えた。

 カンタベリー大主教は英国国教会の首座主教であると同時に、世界約165カ国に広がる聖公会の「一致の象徴」とされる存在である。しかし近年は、同性カップル祝福や女性聖職などをめぐり、特にグローバルサウスの教会との対立が深まっている。

 こうした状況は、今年1月の就任確定時にも指摘されていた。既報の通り、前任のジャスティン・ウェルビー氏の辞任を招いた虐待対応の問題に加え、聖公会内部の分断、教会の社会的信頼低下といった複合的危機の中での就任となった。

 看護師出身という異色の経歴を持つムラリー氏は、弱者への寄り添いと対話を重視する姿勢で知られる。一方で、その指導力が世界聖公会の亀裂をどこまで修復できるかは未知数であり、今回の歴史的就任は同時に、教会の将来を左右する試金石ともなる。

 就任式に出席した世界教会協議会(WCC)総幹事のジェリー・ピレイ氏は、マラリー氏の任命に際して送られた祝意の書簡で、「教会の歩みにおけるこの節目を喜びと希望をもって見守る」と述べるとともに、「困難な時代にこの重責を担うことになる」と期待を寄せた。

写真=Anglican Communionの公式Facebookより

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