聖書は「人類最大のミステリー」 作家・清涼院流水氏が教文館でトークイベント 2026年3月31日

ミステリーとキリスト教をテーマにしたトークイベント「聖書の謎(ミステリ)に迫る」が3月29日、東京・銀座の教文館3階ギャラリーステラで開かれ、カトリック作家の清涼院流水氏が講演した。書店やキリスト教書への心理的ハードルを下げることを目的に企画された「キリスト教とミステリーフェア」の一環で、同フェアは今回で4回目。
清涼院氏は、自身が2016年ごろからキリスト教に関心を抱き、学びを深めて洗礼に至った歩みを振り返った。教文館でのイベント開催は、当初からの念願だったという。
講演では、聖書の基礎知識が体系的に示された。聖書は人類史上最大のベストセラーであり、累計70億部以上が頒布され、現在も年間約1億部が読まれているとされる。さらに3500以上の言語に翻訳されており、近年は欧米で販売が伸長していることにも触れた。
聖書の成り立ちや旧約と新約の違い、カトリックとプロテスタントの違いについて概説。聖書とミステリーの関係について清涼院氏は、ギリシャ語の「ミステリオン(神の秘密)」が「ミステリー」の語源であることを挙げ、聖書を「人類最古で最大のミステリー」と位置づけた。多くの著者によって書かれながら統一性を持つ点については、「真の作者は神であり、聖書は神から人間へのラブレター」と表現。理解しきれない記述や預言の存在が、読者に解釈の余地を与えると述べた。
また、推理小説との構造的共通性にも言及し、「問題の発生と解決」という枠組みは聖書とミステリーに通底すると指摘。とりわけシャーロック・ホームズシリーズを引き合いに、聖書的構造との類似性を論じた。
自身の創作については、「神探偵イエス・キリスト」シリーズを紹介し、新約聖書を舞台に謎を解き明かす試みを説明。第3作『神探偵イエス・キリストの生還 踊る暴君ヘロデ』(仮題)を今秋の刊行目標として準備していることも明かした。
会場には同業者である作家も複数人参加。質疑応答では聖書の言語背景や信仰に至る経緯、学び方などについて活発なやり取りが行われた。清涼院氏は、昨年から始めたX(旧Twitter)での日英併記による聖句引用の取り組みを紹介。生涯をかけて、ノンクリスチャンにも開かれた形で聖書の魅力を伝えていくとの決意を改めて表明した。














