現代における啓示理解を問う 濱和弘氏の「傘の神学」を機に鼎談 2026年4月7日

 濱和弘氏(東京聖書学院講師、日本ホーリネス教団小金井福音キリスト教会、相模原キリスト教会牧師)による「傘の神学」シリーズ『普遍啓示論 そこに立ち現れる神』『特殊啓示論 隠れた神からの語りかけ』の刊行を機に企画された特別鼎談「今、啓示を考える」が4月6日、お茶の水クリスチャン・センター(東京都千代田区)で開催され、オンラインでの配信を合わせて80人以上が神学の根本課題をめぐる議論に耳を傾けた(株式会社ヨベル主催)。

 ともに登壇したのは、藤本満(東京神学大学講師、イムマヌエル綜合伝道団高津キリスト教会牧師)、西原智彦氏(大阪聖書学院非常勤講師、バプテスト教会連合金剛バプテストキリスト教会主任牧師)の両氏。いずれも神学教育と牧会の現場に携わる立場から議論に臨んだ。

 鼎談の中心には、濱氏の提示する「神が立ち現れる」という啓示理解が据えられた。濱氏は、体系的に神を語り尽くそうとする従来の神学に対し、「神学の『隙間』の中に神が立ち上がってくる」と語り、個々人の人生の裂け目や経験の中で神と出会う出来事性を強調した。
さらに啓示についても、「啓示と言葉化してしまった瞬間に神を制約してしまう」とし、定義化そのものへの慎重な姿勢を示した。

 濱氏の議論を受けつつ藤本氏は、聖書理解の開放性を指摘。「聖書で聖書を解釈するという閉じこもった理解ではなく、開かれた視点」が必要だと語り、歴史的・文化的文脈を含めた読みの重要性を強調。救いをめぐっても人間形成との関係から、神の啓示を人格の変容として捉える視点を提示した。

 西原氏は、ユダヤ教との連続性を重視する立場から応答。「ユダヤ教を切り捨てていくようなキリスト教は考えられない」と述べ、ユダヤ思想の豊かさを取り入れることで、キリスト教が「狭い閉じられた世界」に陥ることを防ぐ必要性を指摘し、七十人訳聖書などの伝統を文化として尊重すべきとしながら、それを絶対化せず、複眼的な信仰理解の必要性を説いた。

 啓示を命題的知識の伝達ではなく、「神が立ち現れてくる時に私たちは変わる。この変化が啓示」とする理解も共有され、体験と変容を重視する方向性が浮かび上がった。

 また、濱氏は日本の文脈における神学の課題にも言及し、「西洋人の言葉による神学を翻訳している」現状を批判。「日本人のための霊性」が十分に形成されてこなかったことが、教会の停滞の一因であるとの認識を示した。

 会場からは、既存の枠組みからこぼれ落ちてきた人々への応答可能性を評価する声も上がり、「今まで振り落とされてきた人たちを『傘の下』に入れることができる」との指摘もなされた。

 三者による対話は、「普遍」と「特殊」という古典的枠組みを保持しつつ、それを固定的に理解するのではなく、経験・文化・歴史の中で動的に捉え直す必要性を示した。

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