地上の暗闇に灯をともして歩く 片柳弘史氏がマザー・テレサの生涯語る 2016年7月23日

 9月4日に列聖式を迎えるマザー・テレサ。これを機に彼女の生涯と働きを学ぼうと7月2日、カトリック麹町教会ヨセフホール(東京都千代田区)で「神のいつくしみを証しするために――マザー・テレサの生涯と言葉に学ぶ」と題した講演会が行われた。会場は300人の聴衆で埋めつくされた。

 登壇したのはマザー・テレサの言葉を紹介する著作を多く執筆している片柳弘史氏(カトリック宇部教会司祭=写真)。同氏は大学卒業時マザー・テレサに会いに渡印、マザーのもとでボランティア経験を積んだ。

 講演会前半では、マザーが信仰に生きた母ドラナの影響を色濃く受けたことに言及。マケドニア出身のマザーは12歳で貧しい人々の奉仕に生きる決意をし、18歳で宣教師になるためロレット修道会(アイルランド)に入る。ドラナはマザーに「これからはイエスの手を握り、イエスと共に行きなさい。前だけを見て進みなさい」という言葉を贈る。後にマケドニアはインド人の入国が禁止となり、インドに派遣されていたマザーとドラナは二度と会うことはかなわなかった。

 ダージリンに向かう汽車の中で、「貧しい人々の内におられるキリストに仕えるためにスラムに出るように」との呼び掛けを聞いたマザーだが、意外にも神が答えてくれない闇のような苦しみを11年も味わっていたと片柳氏は語る。後にマザーは「闇も愛することができるようになった。イエスの味わった苦しみに比べれば小さい」と語ったという。

 1997年9月5日、日本の同氏のもとにマザーの修道会「神の愛の宣教者会」からマザーの訃報が届いた。

 同氏は、マザーが生前「もしわたしが聖人になるなら、暗闇の聖人でしょう。天国を留守にして地上の暗闇に灯をともして歩くに違いありません」と語っていたと回想した。

 講演会後半では、同氏の近著『あなたのままで輝いて』(PHP研究所)からマザーの言葉を紹介。同書でイラストを担当した画家のRIE氏も登壇した。

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