台湾でアジア初の同性婚法が成立 養子縁組認めず 2019年5月22日

 台湾の立法院(国会)は5月17日、同性間の結婚の権利を保障する特別法案を賛成多数で可決した。同性婚を認めない現行民法は「法の下の平等」や「婚姻の自由」などを定めた憲法に違反するとした2017年の司法判断を受けた措置。世界で同性婚を認める国・地域は、厳密には確定できないが25を超えると推定される。アジアで同性婚法が成立したのは台湾が初めて。

 欧米で先行している同性婚の合法化がアジアで初めて実現した。来年1月の次期総統選に向け与党・民主進歩党(民進党)は苦戦しており、蔡英文政権はリベラル路線を鮮明にして若者らの支持拡大を図りたい意向。ただ民進党の伝統的な支持基盤であるキリスト教諸教派などは同性婚の合法化を激しく批判しており、選挙で追い風になるかは予断を許さない。

 特別法は、蔡総統の署名を経て発効し、今月24日から各地の行政窓口で婚姻届の受け付けを開始する見通し。同性カップルが結婚を登記することができるようになり、配偶者の相続の権利や相互扶養の義務も発生する。カップルのどちらかに血縁関係がある子女を養子にすることも認める。

 台湾では2017年5月、司法院大法官会議(憲法法廷)が同性婚を認めないのは自由と平等に反し違法との判断を下した。保守派からは「男女間を前提とする結婚や家庭の形が崩壊する」などと反発の声も上がった。

 野党・国民党側から、同性間の結婚は認めず「同性家族関係」とすべきとする法案も出たが、与党・民進党側が押しきった。(CJC)

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