米軍のイラン核施設攻撃に対しNCCが米大統領に公開抗議書簡 2025年6月23日

 米軍によるイランの核関連施設への攻撃と、それに関連するトランプ大統領の一連の発言を受けて、日本キリスト教協議会(NCC、吉高叶議長、大嶋果織総幹事)は6月22日、公開抗議書簡をホワイトハウスに送付し、深い懸念と強い抗議の意を表明した。

 書簡は、トランプ大統領の発言が「平和への道を開くものではなく、恐怖をあおり、対話を閉ざし、イランだけでなく全世界にとって危険な緊張の拡大を招くもの」であるとし、核関連施設への攻撃は、「単なる戦術的判断ではなく、広範な人道的惨事と長期にわたる環境破壊を引き起こす危険」があると強調。核関連施設を含むすべての軍事行動をただちに停止し、センセーショナルで脅迫的な発言を慎み、対立の解決に向けて誠実かつ真摯に外交努力を尽くすよう求めた。

 書簡の全文は以下の通り。


米軍によるイラン核施設攻撃と大統領発言に対する公開抗議書簡

アメリカ合衆国大統領
ドナルド・J・トランプ殿

 私たちは日本に住むキリスト者として、本日午前(米国東部時間で前日夜)に発表された米軍によるイランの核関連施設への攻撃、ならびにそれに関連するあなたの一連の発言に対して、深い懸念と強い抗議の意を表明します。

 あなたは演説の中で、「標的はまだ多く残っている(Remember, there are many targets left.)」と脅し、さらに「イランの将来は、平和か悲劇かのどちらかだ(There will be either peace or there will be tragedy for Iran.)」と述べました。これらの発言は平和への道を開くものではなく、恐怖をあおり、対話を閉ざし、イランだけでなく全世界にとって危険な緊張の拡大を招くものです。

 戦時中に核攻撃を受けた唯一の国・日本における信仰共同体の一員として、私たちは放射線による暴力がもたらす深刻な被害と苦しみを心に深く刻んでいます。核関連施設への攻撃は、単なる戦術的判断ではなく、広範な人道的惨事と長期にわたる環境破壊を引き起こす危険を伴います。

 私たちはあなたに対し、核関連施設を含むすべての軍事行動をただちに停止し、センセーショナルで脅迫的な発言を慎み、対立の解決に向けて誠実かつ真摯に外交努力を尽くすよう強く求めます。

 私たちは、いのちと尊厳と平和を求めて歩みます。あなたにも同じ道を歩まれるよう強く願います。

日本キリスト教協議会
議長 吉高 叶
総幹事 大嶋果織

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