【雑誌紹介】 今を戦前としないために 『BIBLE&LIFE 百万人の福音』7・8月号

 通巻900号の記念号。「今を戦前としないために、神の願う『平和』を求める者となるために、今私たちがなすべきことが何であるのか、共に考えてみたい」として企画された戦後80年企画「『平和』のために『私』ができることはありますか?」。元都立高校・地歴公民科教諭の岡田明(日本福音教会連合・主都福音キリスト教会会員)が「第二次大戦下と現在の状況から教会と戦争を考える。」と題して考察する。

 「SNSを閲覧していると、反自虐史観、軍備増強論、嫌韓・嫌中、差別的排外主義などのコンテンツ(内容)の投稿がものすごく増えていることがわかります」

 「そしてここに、情報の『信仰化』がみられるのです。一切の異論反論を許さず、潰すというこの暴力的な風潮は第二次世界大戦下の空気に似ているといえないでしょうか」

 「戦争についての情報が『信仰化』され、異論反論を許さない圧力で国民全体に迫ってくるとき、果たして教会はどう対応するでしょうか。少数の牧師、信徒、教会は信仰の旗を立てて、抗議し続けるでしょう。しかし、多くの者たちは黙認するか、協力すると思います。なぜそう思うかの理由は三点あります」

 「一つ目は、教会史への無関心、無知です。先に紹介した第二次大戦下での教会の天皇制への融合と戦争協力について、しっかり学んでいる教会はどれだけあるでしょうか。私はこれらを『過ち』と考えますが、そもそもこの歴史を知らなければ、過ちについて学ぶことはありません」

 「悲観的になる二つ目の理由は、日本のクリスチャンに宿る『日本人的思考』です。……いま、日本のクリスチャンは世間体から解放されて、自分の信仰や信念、個性を確立し、表に出して生きているでしょうか。近隣や親族、同世代の人たちの評価、評判を気にせず行動しているでしょうか」

 「三つめは教会の中の『声』です。『教会に社会的なことをもち込むな』『教会の中にはいろいろな考え方の人がいる』という『声』が教会の中にはあります」

 「私たちは『生きることはキリスト』と告白する者たちです。生活全体をキリストにあって考え、行動する者です。果たして生活の中で出会うさまざまな出来事や問題に対し、この世的(政治的)なことと教会的(信仰だけに関わる)なことの区別や分類がきっちりとできるのでしょうか。クリスチャンの行動原理は聖書の教えに基づく信仰です。それは本来的に世の常識と違うので、時に『愚か』と言われたり、『協調性がない』として世の批判や摩擦を生んでしまうものです。……摩擦、迫害は福音が輝く証しの場面でもあるのです」

【1,100円(本体1,000円+税)】
【いのちのことば社】

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