日基教団西中国教区が死刑に抗議 即時停止と制度廃止を求める 2025年8月5日

6月27日、東京拘置所の白石隆浩さんの死刑が執行されたことに対し、日本基督教団西中国教区の鎌野真総会議長と大野至宣教委員会社会部委員長は7月2日、石破茂首相と鈴木馨祐法相に宛てて抗議声明を発出し、死刑執行の即時停止と死刑制度の廃止を要請した。
声明は、今回の事件について裁判で十分な審理が尽くされているとは言えないと述べ、2021年に死刑判決が確定してからわずか4年後の死刑執行は、将来的に白石さんが再審請求をする機会を奪うことにほかならないと主張。「今回の執行は、国家権力自らが、加害者による反省や更生の可能性を否定するもの」だと訴えた。さらに、社会にとっても審理が十分に尽くされたとは言えず、死刑執行により事件の真相を明らかにすることが困難になったとして、「法治国家としての責務を放棄したと言わざるを得」ないと主張。「国家がいのちを奪う死刑と戦争は、憎しみと暴力の連鎖を生み出すことにほかならず、救済や加害行為の抑止にもつながらないことは明らか」であるとして、死刑制度そのものの見直しを求めた。
UnsplashのMatthieu Rochetteが撮影した写真