日本聖書協会 クリスマス礼拝を開催 闇の中での主の栄光が希望をもたらす 2025年12月8日

 日本聖書協会(具志堅聖総主事)は12月8日、恒例の「聖書協会クリスマス礼拝」を日本基督教団渋谷教会(東京都渋谷区)で開催した。教団教派を超えて集った150人が、アドベントの恵みを分かち合った。

 礼拝では、同協会副理事長の菊地功氏(カトリック東京大司教)が、イザヤ書60章1〜6節を朗読し、祈祷の後、同協会総主事の具志堅氏が「主の栄光があなたの上に」と題してメッセージをおこなった。

 朗読された聖書のことば、バビロン捕囚となる将来の人々に向けて語られたこの箇所で「光」に注目して3つの希望ついて解き明かした。一つは、「起きよ、光を放て。あなたの光が来て主の栄光があなたの上に昇ったのだから」(1節)をとおして語られた。光は人間が努力して作り出すものではなく、すでに神の側からわたしたちに与えられている。ただじっと待っているだけでなく、起きて与えられて光を放てと主が命じられていることを伝え、「足元がたとえ暗くても、光の源である主はそこに立っておられるという希望がある」と話した。

 もう一つは、「見よ、闇が地を覆い 密雲が諸国の民を包む。しかし、あなたの上には主が輝き出で 主の栄光があなたの上に現れる」(2節)で見られる希望。「孤独を感じ、深い悲しみにくれ、最も絶望的になっているその場所で、『私はここにいる』と語っておられる方の光があなたの上にある。見えないようでそこにある、そんな光だ」と述べ、それがインマヌエルと呼ばれる方の希望であることを語った。

 さらに、教会も神の輝く光の印と呼べることを話した。月も星も自分の力ではなく、太陽の光を受けて輝き出すのと同じように、クリスチャンも自分の強さではなく、光を受けて周りに反射させる存在であることを明かす。その光は、他者への優しさ、友のための祈り、隣人からの励ましの言葉、愛するものへの赦(ゆる)し、そのすべてが主の栄光の輝きとして、キリスト者または神を信じる者をとおして放ち、周囲の人びとを照らす希望だと力を込めた。

 ルカによる福音書2章14節には、闇の中に光が輝く時、人々はその光に導かれて賛美を捧げたことが記されている。そこから忘れられないエピソードとして、2020年3月、コロナ禍でロックダウンの最中のイタリアでの出来事について述べた。通りに誰もいない暗闇の街で、ある家の住人が窓を開けて歌を歌い始めると、別の家々からも歌が流れ、やがて大合唱となって通り全体に歌声が響き合ったという。その歌声によって互いの生存を確かめ合い、人々を一つにし、励まし、希望をもたらしたことを話し、最後にこう締めくくった。

 「闇が深くなれば光はさらに強くなるのです。主の栄光を信じ、この2025年、共にインマヌエルの主イエス・キリストのご降誕をお祝いしましょう」

 今年は日本における聖書普及活動150年の節目の年。日本聖書協会では1年間にわたって様々な記念イベントを行ってきた。この日もこれまでの歩みに感謝するセレブレーション(チャリティコンサート)が、クリスマス礼拝後に第2部として開催された。日本を代表するクリスチャン・ミュージュシャンの陣内大蔵、久米小百合、Migiwaの3氏が出演し、記念の年の最後を飾った。会場の礼拝堂には170人が集った。

 毎年参加しているという70代の女性は、「所属教会以外の人たちとクリスマス礼拝をささげられるのがうれしい。お土産にいただくアート聖書カレンダーも毎年の楽しみの一つです。今年も大勢の方たちと礼拝をささげることができてよかったです」と感想を語った。

*聖書引用はすべて『聖書 聖書協会共同訳』による。

宣教・教会・神学一覧ページへ

宣教・教会・神学の最新記事一覧

  • 聖コレクション リアル神ゲーあります。「聖書で、遊ぼう。」聖書コレクション
  • 求人/募集/招聘