分断の世界に「もてなしの奉仕」を 英国国教会サラ・ムラリー大主教就任 2026年1月30日

ロンドンのセント・ポールズ大聖堂で1月28日に行われた「選出確認式」において、第106代カンタベリー大主教としてサラ・ムラリー主教が正式に就任した。「アングリカン・コミュニオン・ニュース・サービス(ACNS)」をはじめ、英メディア各紙が報じた。
女性の大主教誕生は1400年以上の歴史で初めてであり、聖職按手における女性の位置づけをめぐって今なお神学的・文化的緊張を抱える教会がある中、英国国教会が女性司祭(1994年)、女性主教(2015年)と段階的に積み重ねてきた公式決定の延長線上にある。3月25日、カンタベリー大聖堂で行われるカンタベリー大主教着座式を経て、カンタベリー大主教としての公務を正式に開始することになる。
ムラリー大主教は、分断の時代における「もてなしと対話」を重視する姿勢を明示し、教会内外からの批判や懸念を引き受けながら奉仕に臨む決意を示した。「不確実性と不信が支配する世界にあって、教会は共にパンを分かち合い、互いに何を共有しているのかを発見する場となるよう召されている」
英国社会では近年、移民や少数者をめぐる緊張、経済格差、教会内部の不祥事に対する不信など、複合的な分断が進んできた。大主教はそうした現実を直視しつつ、教会が「正しさ」を掲げて人々を裁く場になるのではなく、まず迎え、耳を傾け、共に時間を過ごす存在であることを選び取る必要性を強調した。
この呼びかけは、英国国教会に限らず、世界の教会に向けられた問いでもある。日本国内においても、外国人労働者や難民の増加、LGBTQ+をめぐる議論、世代間の断絶、政治や思想をめぐる対立など、表面化しにくい分断が静かに進行している。
「もてなしの奉仕」とは、単に誰にでも優しくすることではない。教会がこれまで誰を中心に据え、誰を周縁に追いやってきたのかを問い直す営みであり、相手を変えることを急ぐ前に、まず共に居ることを選び取る姿勢である。
https://www.anglicannews.org/news/2026/01/archbishop-of-canterbury-pledges-a-ministry-of-hospitality-in-a-fractured-worldistry-of-hospitality-in-a-fractured-world.aspx
















