【雑誌紹介】 一人で責任を担わずに 『信徒の友』3月号

 特集「神のもとで休みたい」に合わせ、藤守義光(日本キリスト教協議会総務)の連載「世界の教会は今」も「牧師の燃えつき 現状と対策」がテーマ。2024年に米国のハートフォード宗教研究所が公開した『私はいつも疲れている』というタイトルの調査報告書を紹介している。米国の40以上の教派に属する約1700人の教役者を対象に2023年に行われたアンケート調査で、回答者の4割以上が2020年以降に「教会を離れることを真剣に考えた」という。

 「このような状況は一人しか牧師がいない小規模教会で、より深刻で、離職を考える割合が高い傾向が見られます。複数のスタッフによる役割分担が難しい環境では、牧会、事務、財政管理、対外的対応などの責任が牧師一人に集中しやすい。特にパンデミック以後の不確実な状況の中で負担が一層大きくなっていると考えられます。教会員との意見の相違がある場合には、その精神的負担はさらに大きくなります」

 「牧師が燃えつきるもう一つの背景に、休めないという日本の牧師と似通った状況が存在するようです」

 「しかしながら調査が……重要だと指摘したのは、いわばもっとありきたりのことでした。曰く、『教会員とより積極的に対話をすることで信頼関係を築いていくこと』。牧師一人で責任を担わず、教会員と役割を分担し協働する。教会員は変化に柔軟に適応する姿勢を身につけること」

 インタビュー「この人に聞きたい」は、精神科医で日本アライアンス教団千葉キリスト教会牧師の山中正雄。精神疾患を有する患者の数がこの四半世紀で倍増している状況についてどう捉えているかという同誌編集部の問いに答える。

 「人数の増加は、一つには以前に比べてメンタルクリニックが増えて病院に通いやすくなったということがあると思います。実は、精神病の代表格と言われてきた統合失調症、うつ病、双極性障害などの絶対数はあまり変わっていないのです。それに対して神経症と呼ばれるグレーゾーンが増えてきた印象です。たとえば適応障害、不安障害などです」

 「もう一つ社会的背景として考えられるのは、人間関係の希薄化です。昔であれば職場の同僚や親戚、友人などとの密な人間関係の中で解消されてきた精神的ストレスが、解消されないまま神経症として発症するケースがあるのではないかと推測しています」

【700円(本体636円+税)】
【日本キリスト教団出版局】

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