【雑誌紹介】 「欠け」を抱えた教会の限界 『福音と世界』(5月号)

 特集「教会の生き残りではなく、信仰者の歩みの継続を」。日本基督教団美唄教会牧師・美唄めぐみ幼稚園園長の久世そらちが、「教会の経験から――地域に生きる使命と責任」と題して北海道の教会・伝道所の状況を紹介しながら論じる。

 「明治以降の日本において、キリスト教は、信徒数は決して多くはなかった割には相当大きな影響を社会に及ぼしてきた。それには、教育・福祉・言論・社会運動といった各分野でキリスト者やその影響下の組織・団体が先駆的また献身的な役割を果たしてきたことが大きい。しかし、そうした働きを、教会そのものが直接担うことは広がらなかった。教会はあくまでも礼拝や教会学校といった『宗教活動』を領域とし、社会活動は管轄外としてきた。しかし、そのように教会がみずからを社会から切り離してしまったことは、教会の重大な『欠け』となってしまったのではなかったか。戦前そして戦中、教会は軍国主義や植民地支配の悪と罪を察知し抗うことにあまりに弱く、国家の罪にもろともに染まってしまったのは、そうした『欠け』を抱えた教会の限界ではなかったか。人の生活する社会から身を引いたところでの教会形成の道すじは、人の世のゆがみや苦しみに無自覚・無頓着な教会をつくり、イエスの福音をかえって矮小化するものとなってしまってはいなかったか」

 「自明のことだが、教会は、地域に居住し生活する信徒たちの共同体だ。だから、地域社会の苦悩や重荷はそのまま教会の苦悩・重荷となる。いま教会の組織が抱える高齢化・財政の窮乏・後継者難といった課題は、地域社会そのものの課題にほかならない。いま教会が存続に困難を覚えているとすれば、それはこの時代における地域社会の苦悩にあずかっていることにほかならないのだ」

 「逆に言えば、いまこの社会が重荷を負って懊悩しているというのに何も影響がない教会があるとすれば、それは文字通り浮世離れして地に足のついていない、幻想の上の教会というほかないだろう。それはまた、かつてのように、この社会を脅かす罪と悪の力に対する無自覚・無頓着にも直結するだろう」

【660円(本体600円+税)】
【新教出版社】

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