【令和8年熊本地震】 子どもの居場所、在宅避難者支援へ カトリックは支援室設置 教会・NGOの活動広がる 2026年8月6日

7月28日の熊本地震を受け、キリスト教系団体による支援が、緊急物資の配布から、断水下にある子どもの居場所づくり、在宅避難者や障害者、高齢者、外国人など支援の届きにくい人々への対応へと広がっている。8月5日夜までに新たに確認できた各団体の発表では、教会を拠点とした給水や子どもの預かり、被災地外からのキッチンカー派遣、継続支援に向けた体制整備などが報告された。
カトリック福岡教区 支援室を設置へ
カトリック福岡教区は5日、福岡カリタスによる4日現在の対応報告を公表した。4日の対策会議で、教区本部の司教館に支援室(仮称)を設置し、パート職員3人を配置する方針を決定。募金の管理、礼状の発送、問い合わせへの対応などを担い、専用の携帯電話とメールアドレスを準備する。
3日の八代教会訪問では、信徒の安否はほぼ確認されたものの、家屋の損壊や停電、断水があり、別の家庭への避難や車中泊を続けている信徒がいることが分かった。司祭館と信徒会館のエアコンは復旧したが、断水は続いていた。
八代教会の信徒会館では、信徒が交代で支援物資を配布してきた。物資は必要量が集まったとして、福岡カリタスは5日、八代教会だけでなく熊本地区の各小教区についても、当面の送付を休止するよう呼び掛けた。八代教会のミサは16日午前11時から、シャルトル聖パウロ修道女会八代修道院のチャペルで再開する予定。司式はヨゼフ・アベイヤ司教が務める。
教会で子どもを預かり 断水世帯へ水届ける
日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団は5日、川尻キリスト教会(熊本市)とシャロンキリスト教会(八代市)による4日の活動報告を掲載した。
川尻キリスト教会では、地震の影響が続く中でも子どもたちの生活を支えようと、予定していたサマースクールを実施。6人が参加し、学習や食事、水遊びなどをして過ごした。本渡基督教会の牧師と高校生もボランティアとして加わった。
同日、本渡基督教会や牛深キリスト教会などが集めたポリタンクを使い、断水が続く宇城市の信徒宅4軒と宇土市の信徒宅1軒に水を届けた。20リットル入りのポリタンクを各家庭に4~5個ずつ、計22個配ったという。
報告時点では、5日にシャロンキリスト教会で約18人を対象としたサマースクールを行う予定で、入浴できていない子どもの家庭から、教会のシャワーを利用したいとの申し込みも寄せられていた。
放課後等デイサービス1カ所「全壊」
国際協力NGOのワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は、宇城市内の防災拠点センターや保育園、避難所、地域施設、寺院などを訪問し、飲料水、ジュース、ゼリー、菓子、衛生用品、ブルーシートなどを届けた。
同団体の報告によると、訪問先の放課後等デイサービスでは、3事業所のうち1事業所が「全壊」。残る2事業所が、エアコンや水道を使えない中で80人の児童を受け入れていた。ここでいう「全壊」が行政による被害認定を指すかどうかは明らかにされていない。
WVJは、地震による子どもたちへの心理的影響についても聞き取り、地域関係者の意向を踏まえ、安心して過ごせる居場所づくりに向けた調整を進めている。
能登からキッチンカー 八代で「あおぞらカフェ」
NPO法人LoveEastは、1~4日の活動報告を公表した。能登ヘルプから借りたキッチンカーに能登からの物資を積み、大阪からフェリーで九州入り。東京からもワゴン車で資機材を運び、熊本市と八代市で活動を始めた。同法人は能登半島地震後、石川県羽咋市を拠点に物資配布や生活再建支援などを続けている。
熊本市では、被災した教会を物資の一時保管場所として、パンの缶詰、飲料水、おむつなどを受け取った。教会ではエアコンが落下し、建物各所に亀裂が入っていたというが、教会名は公表されていない。物資の一部は、くまもと森都バプテスト教会を通じて、近隣の在宅避難者に配布される予定という。
八代市の太田郷コミュニティセンターにも物資を届けた。同法人が施設側から聞いた情報によると、昼間に約50人、夜間には100~150人が避難し、段ボールベッドや仮設トイレを利用していた。
児童養護施設の八代ナザレ園では、能登で続けてきた「あおぞらカフェ」を開き、午後5時ごろから午後11時半ごろまで、かき氷、紅茶、コーヒーを提供した=写真。同園はキリスト教の精神を基盤とする児童養護施設。断水地域の住民にシャワーを24時間無料で開放しており、LoveEastによると1日約600人が利用し、夜には3~4時間待ちになることもあったという。
CWSジャパン 支援届きにくい人を重視
CWSジャパンは3日、被災者支援のための寄付を呼び掛けた。発災直後から現地の関係団体と連絡を取り、被災状況や必要な支援の聞き取りを進めている。
今後は、時間の経過やインフラの復旧に伴って変化するニーズを捉えるとともに、在宅避難者、障害者、高齢者、外国人など、支援が届きにくい人々を重視した支援計画を検討する。現時点では、具体的な活動地域や連携団体、支援内容は公表されていない。
物資が充足し始めた拠点がある一方、断水が続く地域では、入浴、子どもの預かり、在宅避難者への給水など、生活に密着した支援がなお必要とされている。各団体の報告からは、避難所だけでなく、地域の教会や福祉施設、在宅で暮らす被災者を結ぶ支援へと、活動の焦点が移りつつあることがうかがえる。
(8月5日午後9時現在)














