【雑誌紹介】 「イエス様ありがとう」と 『BIBLE&LIFE 百万人の福音』9・10月号

特集「感謝して生きる」。佐藤彰(保守バプテスト同盟牧師、福島第一聖書バプテスト教会アドバイザー牧師)が「感謝の心で」と題して述べる。
「二〇一一年三月十一日、私たちの教会は東日本大震災に遭遇しました。福島第一原子力発電所から五キロに位置する教会は故郷を追われ一時閉鎖となり、教会員の約三分の一にあたる約六十名で七百キロに及ぶ旅をすることになりました。責任者だった私は頭を下げないと寝る場所や食料が確保できない状況が苦しくて悔しかったことを覚えています」
「大震災は、それまで当然と思って生きてきたものを奪いました。住まいや仕事、家族や故郷も。しかしいざ足払いを食らって身一つになってみると、そこで見た景色は以前とは違いました。失くした物を数えないで、目の前に与えられた一つ一つを感謝して受け取って生きる恵みの世界でした」
「大震災は問いかけました。今日が最後の日になっても後悔しないように、大切な人に大切な一言を伝えて生きているかと。明日もあると思わないで、今日それをしなさいと」
「故郷に眠る教会は四年前から放射線量が下がり始め、帰還許可が出たので、扉を開き今年から十五年振りの毎週礼拝を再開しています。かつて一万人いた人口はまだ千人ですが、教会の目の前には復興住宅が建ち、やがては商業施設等もできる予定です。私たちは信じられない光景を目にしてつくづく、旅を途中で止めなくてよかったと思っています」
認知症グループホームの日常を描く市川シメオン(日本バプテスト連盟ふじみキリスト教会教会員)の連載「それでも世界は今日もやさしい」第5回「天使たちのいるところ」。
「半年ほど前、教会員の男性が突然末期癌で余命半年の宣告を受けました。穏やかで、いつもニコニコしながら教会の玄関で皆と世間話をしていた彼は、余命を告げられてからみるみる痩せて、眼光が鋭くなり、心のバランスを崩していきました。若い頃に発病した心の病が再発し、だんだんと周囲に暴言を吐くようになり、地域でも、教会でも、信じられないような無茶な振る舞いを続けました。たびたび警察に保護されるようになり、そのたびに牧師は彼を迎えに行き、迷惑をかけた地域住民やお店にも謝りに行きました」
「彼は『イエス様助けてください、イエス様ありがとうございます』と何度もつぶやいた数日後、天に召されました。息を引き取った直後の彼の顔は、どこかほほえんでいるようでした」
「この半年余りを振り返ってみると、彼は死を前にして、ボロボロになりながらも、どこか人々の中にある愛を引き出しているようにも見えました。トルストイの民話『人は何によって生きるか』に登場する、人間の中にある愛を知って、ほほえみながら天に帰っていった天使ミハイルのことを思いだしました」
【1,100円(本体1,000円+税)】
【いのちのことば社】















