三浦綾子記念文学館が事務局長を解職 PBAも出演回を配信停止 2026年9月15日

三浦綾子記念文学館(北海道旭川市)を運営する公益財団法人三浦綾子記念文化財団(東郷明子理事長)は9月12日、専務理事兼事務局長だった難波真実(まさちか)氏を11日付で解職したと発表した。財団の内部調査で、業務遂行や組織管理をめぐる度重なる不適切な行為に加え、使用していた業務用パソコンに児童ポルノ禁止法に抵触する違法データが保存されていたことが判明したとしている。
地元メディアの報道によると、業務用パソコンなどから児童ポルノに当たる画像や動画約5400点が確認され、難波氏は財団の調査に所持を認めているという。難波氏が理事会に相談せず文学館の招待券約9万枚を発行していたことなどをきっかけに、財団が8月26日から自宅待機を命じて調査を開始したとも報じられており、道外での講演会に同行した家族の移動費を財団名義のクレジットカードで決済していたことも判明したとしている。
財団は今回の事態について、公益財団法人の役員として看過できない重大な法令・コンプライアンス違反と判断。弁護士などの専門家と協議した上で、所轄警察署など関係機関への刑事告発を速やかに行う方針を示した。来館者や賛助会員の個人情報については、漏洩や流出、外部への被害は確認されていないという。今後、外部の第三者を交えたコンプライアンス体制の再構築と情報セキュリティ管理の徹底を進める。
文学館は開館や館内展示については継続する一方、13日には、全国各地で予定していた講演・交流会「三浦綾子文学を形作った6つの背景」をはじめとする一連の出張事業について、前専務理事兼事務局長の解職と組織体制の再構築を理由に、全日程を中止すると発表した。
太平洋放送協会(PBA、矢木良雄理事長)は13日、テレビ番組「ライフ・ライン」で過去に難波氏を取材・紹介してきたことを受け、「このような事実が公表された人物を番組において取材・ご紹介してきたことを重く受け止めております」とするお詫びを公表した。緊急措置として、PBAが管理する配信媒体における難波氏の直近の放送回を含む過去すべての出演回を配信停止。過去の取材・制作経緯を確認するとともに、出演者をめぐる確認体制や手続きを検証し、再発防止策と運用の見直しを理事会で審議するとしている。
本紙でもこれまで、難波氏を三浦綾子文学の普及に携わる人物として紹介してきた。2019年には、若い世代に三浦文学を伝えるため文学館が導入したAR(拡張現実)などの取り組みについて、事務局長として難波氏のコメントを掲載。2022年には、キリスト新聞社も協力した三浦綾子生誕100周年企画「いま、三浦綾子作品をどう読むか」のパネルディスカッションに難波氏が登壇した。
三浦綾子記念文学館は、『氷点』『塩狩峠』『道ありき』などで知られるクリスチャン作家、三浦綾子(1922~1999年)の文学と足跡を伝える施設として1998年に開館。財団は今回、「三浦綾子の作品に込められた精神と遺志を継承」する組織として信頼を損なったことを謝罪し、組織の立て直しと信頼回復に取り組むとしている。















