【書評】『このえほんだいすき!』 読み聞かせのための48冊 細川和子
熊本と兵庫で子どもの本の研究会を立ち上げ、読み聞かせ活動を続けてきた著者が、子どもに読み聞かせするべき絵本を年代別にリストアップ。
本を選ぶにあたり大切なことは「子どもの喜びや不安に寄り添い、最後は子どもの納得する前向きなハッピーエンドが用意されている物語」であり、長年読み継がれている物語には、こうした世界が息づいていると著者は語る。関西大震災を経験し、不安な日々の中著者を支えたものは、子どものころに読んだ安定した物語の記憶だったという。
「自分」を見つめるきっかけになりそうな『わたし』(文・谷川俊太郎、絵・長新太)、人のために生きる美しさを説いた『花さき山』(文・斎藤隆介、絵・滝平二郎)など、子どもが満足する物語は、大人も楽しめる。
【本体1,300円+税】
【日本キリスト教団出版局】978-4818409842